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連れ去られたい願望

何度か、京阪電車の思い出弁天町の交通科学館の話をしており、
挙句の果てには阪急電車を舐めてみた話まで披露しているせいで、
私のことを“鉄道好き”だと思っていらっしゃる方も多いようです。
しかし、それは心外です。

私が最も好きな乗り物、それはバスです。

バスの何が好きかって、
自分でクルマを運転するときには得られない、
受け身の、「連れ去られる」ような感覚がいいですね。

そんなの、公共の交通機関ならどれも一緒だろと思われるかもしれません。
確かに、大雑把にはそうなのですが、
たとえば地下鉄など都市の鉄道の場合は、車窓の風景がないため、
どういうルートを通って目的地に至っているのか、乗っていてもよく分かりません。
その点、バスは、「えっ、こんな道に入るの?」と思うような道を辿ることも多く、
車窓から、得体の知れない場所へ連れて行かれている感覚が味わえるのです。

そもそも、バスは、生活に密着した利用を想定しているため、
タクシーのように目的地へ一直線ではなく、
わざわざワケの分からない小路に入り込んでは出てを繰り返す、
自分の意思に反する動きをします。
その、「連れて行かれる」ような、受け身の感覚がとても心地いいのです。
ほら、『♪岬めぐり』でも、傷心の主人公はバスで受け身の旅をしているでしょう。

この、目的地へ至るプロセスが楽しめる、というのは、そもそものどかな観点です。
前述の都市鉄道の乗客は、ビジネスマンやOLが多いので、
疲れてイライラしているというか、ちょっと荒めの波動を発しているものです。
一方、バスの場合、需要が生活に密着しているせいで、
病院に通う老婆とか、学校帰りの高校生とか、小汚い作業服のオヤジとか、
いかにも“地元の足”という雰囲気が漂っていて、のんびりしています。
私はバスに、どことなくのどかな印象を持っているのです。

ところで、鉄道マニアに車両好きやら路線好きやら、
いろいろなタイプが存在するように、
バス好きにも、いろいろなタイプが存在しています。
日野やいすゞなどのメーカーごとの車両の違いを探求するタイプとか、
エンジンなどの装備品性能をつぶさに見ることに情熱を注ぐタイプとか、
いろいろなタイプが存在しているようですが、
私は、実はハードへの興味は薄いほうで、興味があるのはむしろバス路線、
なかんずくバス停に興味あり。
私がたまに買って読んでいる上毛新聞でも、
この4月から『路線バス 終点を行く』という連載がスタートしましたので、
まぁ、そんなに奇妙な嗜好ではないでしょう。

そもそも私は、地名に関心があるほうで、
バス停でも、「〇〇病院前」とか「××小学校前」のような、
そこにあるランドマークを引き合いにしたネーミングのバス停より、
地名を名乗っているバス停のほうが好みです。
そして、そのような“地名型バス停”の場合、
わざわざ行政上の町名からは消えた古い地名を引っ張り出して命名したり、
厳密な意味での町名より、慣例的に使っている名前を大切にする場合があり、
これが、すこぶる私の琴線に触れるわけです。

たとえば、極ローカルな話で恐縮ですが、
富山駅前から八尾鏡町行きというバスに乗った場合、
途中で「小泉定(こいずみじょう)」というバス停を通過します。
別に何もない農村のバス停ですが、
小泉定という行政上の町名はなく、所在地は富山市八尾町杉田。
「杉田」というバス停はほかにあるため、こういうことになったのでしょうが、
私などは「じゃ、小泉定って、何?」と興奮するわけです。

もうひとつ例を挙げると、
姫路駅から宍粟市に向かう山崎行きというバスに乗った場合、
途中で「かまはな」というバス停を通ります。
もう、平仮名である時点で町名ではないことは明らかです。
そして、やはり私は、「かまはなって、どういう意味かしら?」と興奮し、
ついつい用もないのに下車してみたりするわけです。
一時間に一本しか来ないバス停で、酷い目に遭いましたけどね。

私は、そうやって路線を観察するのが好きなんですね。
座席の位置の高いバスに乗っていると、
同じ道を自分で運転しているときには気づかなかった商店の看板なんかが、
妙に目に入ってきたりしますし、
運転手さんに注目していると、狭隘な箇所なんかで、
いったん逆方向にハンドルを切るようなハンドルさばきも見所です。
なにしろ受け身が心地よいのです。

最近は、ちょっとしたバス旅ブームなのか、
路線バスのルートを表示した地図本が出ているので、
こういうので興味深いバス停の当たりをつけて、旅に出ることができ、
それもまた楽しいものです。

ちなみにこれは、新潟駅前のバスターミナル。(夜ですいません。)
バス乗り場が並列に並んでいるプラットホーム型とか、
直列に連なっているロータリー型とかではなく、いわゆるクシ形。
こういうタイプは、新潟などの大都市にしては、最近かなり珍しいです。
もう、東南アジア感があります。
東南アジア感維持のため、LEDとかじゃなく、方向幕にこだわって欲しいくらい。

新潟駅前

しかも、手前の道路は駅前大通りなわけで、
じっと見ていると、バスは、手前の大通りで切り返して、
バックでバスターミナルに入ってくるのです。
これはかなり効率が悪く、いまどき、あまり見かけないものですが、
バスの動線マニアとしては、すこぶる興奮します。

さらに、ちなみに。
当社の新潟営業所前にあるバス停は、祖父興野東
そふこうの? そふ…おきの?
正解はおじごや ひがしです。



もう、この、訳の分からなさ加減がたまりませんよね。
乗ってみると、意外と不思議な経路で、新潟駅まで私を運んでくれます。

バスの魅力、
分っかるかなぁ、分っかんねぇだろうなぁ。©松鶴家千とせ(←古い)

[SE;KICHI]
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