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ざっくばらん

先日、私が通っているエステサロンの、40代の女性オーナーとの話。

施術中はヒマなので、
“花散里”ってイイ女だよねとか、“六条御息所”って怖いよねぇとか、
はたまた、“末摘花”の鼻が長いってどれくらいかね?といった、
他愛のないことを言って楽しんでいたのですが、
途中でふと気づいたのです。

源氏物語の光源氏がプレイボーイなのは、主人公だし、そりゃそうであろう。
それはいいのです。
ただ、彼は、女性関係の武勇伝を、他人に話しがちなのです。
それは、私から見て異常と思えるくらい。

たとえば、ときどき登場する、同僚の頭中将。
二人はつるんで好色の老女“源典侍”をナンパしたりと、まぁ、仲良しなのですが、
ちょくちょく、勤務中の職場で互いのモテ自慢をしたりしています。
若いころの二人はまさに何でも話せる同僚として描かれていて、
私のイメージでは、マスオさんとアナゴくんみたいな関係。
でも、同僚関係って、いったい何をどれくらい話すんだろう。
自分も会社員のはしくれですが、サジ加減が光源氏とは違う気がします。

現代でも中二病の男子などはそういうモテ自慢をしがちなので、
そういう関係性も、なかなか微笑ましいとも言えなくもありません。
しかし、光源氏の貞操観念は現在の感覚では尋常ではありませんよね。
詳しい描写はないものの、
「いやぁ、昨日、伊予介の妻の“空蝉”とヤッちゃってさぁ」とか、
「てか、空蝉だと思って抱いたら娘の“軒端荻”でびっくりしたぜ」とか、
不倫とか、相手間違いのようなことを堂々と語っているわけで、
エロトークというよりは、倫理的に問題があるのではないかという話になるのです。
こんな話を勤務中の職場で同僚に話しているとすれば、
それってすごくない?と思ったわけです。

極めつけは、「かわいい10歳の女の子を誘拐して、家で調教してるんだよね」でしょう。
光源氏はちょっと見かけた幼女に初恋の女性の面影を見て、
親に内緒で自宅まで連れてきて、手を付けることなく軟禁して育てていました。
コレ、同僚に発表できることじゃないよね。
聞かされた同僚も引くだろう。
手を付けずに自分好みに育ててるってところが、余計に怖いよね。

10歳で誘拐してきた女の子は若紫という名前だったのだけれど、
光源氏は若紫に対し、時には父親のように、時にはお兄さんのように接し続け、
4年後、正妻“葵の上”が亡くなると同時に、14歳となった若紫に襲い掛かります。
処女を喪失した彼女は“紫の上”と名を改め、妻としての地位を手に入れるのですが、
幼いがゆえ性的知識の乏しかった彼女は、これまで信用してきた彼の豹変に動揺し、
激しく嫌悪感を表すというか、口を聞かなくなってしまいます。
このとき光源氏は、詳しい描写はないものの、
「それ以来、なんかちょっと気まずいんだよね」的なことを、他人に話しているのです。

いや、同僚に発表できることじゃないよね。
だって、拉致監禁してきた幼女を、満を持して強姦しちゃった話なわけで、
実際にそのシュチュエーションが自分に起きても、同僚には言えないよね。
「いや~まいったぜ」じゃないっちゅうの。
だいたい、若紫もイヤでしょう、そんな話を友達にしちゃう夫。
アナゴくんの奥さんなら怒って実家に帰ってしまいますよね、
そんな話を暴露されたら。

人名が多すぎて混乱してきたかもしれませんし、
普通は言えませんよねという論調で語ってきましたが、
結局、何が言いたいかというと、
そういう距離感も悪くないと思うのです。
同僚と、ざっくばらんに何でも話せる間柄というのは、
そこだけ切り取ると下品な話のようにも思えるのですが、
互いに知り合って家族的になっていくという意味では、
(少なくとも中小企業である間は)連帯が強まるのではないかと思います。
「いやぁ、昨日、伊予介の妻の空蝉とヤッちゃってさぁ」とか、
人名を出す必要はないとは思うけれど、
ぼかして話せば周囲が楽しめる話になるし、
話し手の一端を垣間見ることができるわけで、と思うわけです。

もちろん、どこまで赤裸々であるべきかという問題はあります。
時の帝・桐壺帝の中宮(皇后)である“藤壺”を寝取った話などは、
頭中将にも秘密かもしれませんが。
しかし、可能な範囲で自己開示して、
周囲に分かってもらう努力は必要でしょう。

最近はプライバシーがどうだとか、うるさいことを言われがちで、
なかなか踏み込めないのですが、
個人主義が主流になって、会社としての連帯を定めるのが難しい現代、
志座を定めるには相互理解が重要です。
そして、互いにある程度は踏み込むことが、
相互理解を進めるために不可欠なのではないかと思うのです。
もちろん、単なる『知りたがり』ということではなく、志座のために。

ちなみに、物語の後半、
光源氏の後妻“女三宮”が親友・頭中将の息子に寝取られるという、
まぁ、サザエさんで言えば、
アナゴくんの奥さんが、同僚の子であるタラちゃんに寝取られるという、
ちょっとショッキングな事件が起こったりもするのですが、
それはまた別のお話です。

[SE;KICHI]
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No title

そういえば、光源氏が幼い若紫を誘拐して自宅に監禁してたのって、女子中学生をさらって家に閉じ込めていた、現代のカブ容疑者の事件にそっくりですよね。
……いや、しかし、このブログはタイムリーですね。事件発覚の直前に若紫を話題にするなんて。( ; ゜Д゜)
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