FC2ブログ

ディズニーのプロ意識

当社の社訓のひとつに、“自由と自律の精神”というのがあります。
自分自身の能力を最大限に発揮し、自由にやってください、
その代わり、自由の裏には責任があり、自分を律する気持ちも忘れずに、
と、まぁ、それぐらいの意味なんですが、
こういう、性善説的というか、従業員の良心を信頼しきった社訓というのは、
管理教育的な田舎の義務教育のなかで育った人を狼狽させるようで、
つまり、命じられたことをきちっとこなすのは得意だけど、
自由と言われても、どうしたら良いのやら、といった感じで、
なかなか、社訓のこの一条は浸透しにくいようです。

社訓というか、
経営理念の浸透ということで思い出されるのはディズニーランドです。
2年半ほど前の『ディズニーに学ぶ』という記事にも書きましたが、
私、ディズニーランドには行ったこともなく、行く気すらないにも関わらず、
ディズニーランドのスタッフに浸透している哲学は尊敬しています。

エピソードは、枚挙にいとまがなく、例えば東日本大震災。
震災では、東京ディズニーランドのある浦安も甚大な被害を受けたそうです。
その日、強烈な揺れに襲われた園内には、2万人を超える来園者が来ていたそうですが、
アルバイトが9割を占める従業員は、
誰ひとりパニックに陥ることなく、笑顔で冷静に来園者を誘導したそうです。

ぬいぐるみ売り場のアルバイトが、
自らの判断で、売り物のぬいぐるみを周囲のお客様に配り、
そのぬいぐるみで頭を守るよう呼び掛けた話は以前紹介しましたが、
それ以外にも、雨が降ってきたときには、
アルバイトが、お土産袋やゴミ袋を、誰の指示も受けずに配ったそうですし、
電車も動かずに帰れないなか、お客様がお腹をすかし始めると、
アルバイトが自分の判断で、売り物のチョコレートやクッキーを配り始めたそうです。

あるアルバイトは、建物内の危険なシャンデリアの下に入り、
「私はシャンデリアの妖精だから大丈夫だけど、
みなさんはシャンデリアの下に入らないでね♪」と言って見せたそうです。

こういうのは、マニュアルには定められていない行動だったそうですが、
「すべてはゲスト(お客様)の安心と安全のために」という、
もはや“ディズニーマインド”とでも呼ぶべき哲学が、
現場の末端のアルバイトにまで確実に浸透していることに驚きます。

こう言っては怒られそうですが、
ディズニーランドは、別に魔法の国ではありません。
あれは、単なるアミューズメントパークです。
ただ、徹底されたプロ意識により、
来園者に感動を与えることにフォーカスしたアミューズメントパークです。
感動した来園者は、気分良く帰宅し、「また行きたいね」と言うわけです。
観念論的ですが、来園者は魔法にかかって感動させられているのではなく、
感動することで魔法っぽい感じを感じているわけです。

だって、前述のスタッフが、
別にシャンデリアの妖精などではないことは、みんな分かっていることです。
しかし、緊急時にすらスタンスを崩さないそのプロ意識に感銘を受けるのであり、
わざわざ危険なシャンデリアの下に入ってまで誘導する姿に愛を感じるのでしょう。
一例ですが、それが感動の源です。
ディズニーランドでは、ミッキーマウスの“中の人”から清掃担当に至るまで、
すべからくこのプロ意識の教育が行き渡っており、
だからこそ、来園者たちは、園内で地震に遭って怖い思いをしたにもかかわらず、
揺れが収まって電車が動くようになった時、すがすがしい表情で帰っていくのでしょう。

地震などのイレギュラーな事態が起こったとして、
仮にそれにうまく対応できなかったとしても、
「まぁ、緊急事態だったわけだし」などと、責めを回避することは容易です。
実際、地震の際の対応がまずかったとしても、そこを非難する人は少ないでしょうし、
最後には「まぁ、バイトにそこまで求められてもねぇ」という逃げ口上もあります。
自分に甘い私たちは、すぐにそうやって自分を守ろうとしますが、
ディズニーではそうしないということであり、プロとしての気概が感じられます。
このプロフェッショナルに徹するという姿勢は、
実は意外と大切なことだと思われます。

翻って、自分たちはできていますでしょうか。

手を抜いた対応をして、
その対応に対して、「だって××だもん」と、自分に甘い言い訳をしていないでしょうか。
××にはなんでも入ります。
賢い人ほど、それっぽい理由を並べて自分に甘くなります。
できない理由を一生懸命に述べられたところで、ちっとも建設的ではなく、
そういう自己保身的な話は、聞けば聞くほどに、
「アンタは立派な人サ」(by イメージの詩 ©吉田拓郎)的な、辟易とした気分になります。

自分はプロとして気概を持って働いているか、
改めて確認したいところです。


[SE;KICHI]
スポンサーサイト



コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

あはは、“中の人”って。
プロフィール

kkseishin

Author:kkseishin
株式会社セイシン
私たちは工場設備機器を中心に、お客様にご提案・販売をしている総合商社です。

■富山本社/〒930-0821
富山県富山市飯野16番地の5
TEL:(076)451-0541
FAX:(076)451-0543

■新潟営業所/
〒950-1142
新潟県新潟市江南区楚川甲619番地6号
TEL:(025)283-5311
FAX:(025)283-7469



URL:http://www.kk-seishin.com/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR