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パンを踏んだ娘

日本人には伝統的に道徳心がありました。

なぜでしょうか。
日本は土地が狭く、食料や資源に限りがあるうえ、
自然災害もわりと多かったため、
限られた土地で限られた食料を分配しようとするにあたって、
どうしても相互の譲り合いが必要だったからでしょう。

この譲り合いの美徳が、農耕生活に必要なコミュニティーを支え、
個人よりも集団の利益を尊重する風土を生んだのだと思うのです。

その是非については、いろいろ賛否はあるでしょうが、
日本人は、“利己主義”はダメだよねということが潜在的に分かっており、
他者のためにコツコツ働くことが尊いと思っているわけで、
結果として、日本の底堅さに繋がっている気がします。

言い方を変えれば、
日本の強みは、個人の損得より組織の成果を優先する義理堅さだよね、
自分の所属する集団のために滅私奉公的に働けることだよね、
目先の快楽に溺れず、未来の成功のために我慢を積める忍耐強さだよね、
と、そういうことです。
ここまで日本が成長できてきたのは、
そういう日本的美徳を大事にしてきたからだ

と、私は思います。

さて、では、どうして日本人は、日本に生まれ、
長じるにつれてそのような価値観を持つに至るのでしょうか。
それは、学校教育で教わってきたというよりは、
周辺にいた口うるさい年寄りのおかげだと思うのです。

昔は、近所に一人か二人はうるさい年寄りがいました。
別に身内でもないのに、悪さをしたら怒られました。
私なんか、よその農産物を盗んで食べた結果、
怒った年寄りに捕まって縄で縛られ、柿の木に吊るされたものです。
いまそんなことをしたら訴訟騒ぎですが、
当時は、地域で子供を育てる意識があり、わりとそんなものでした。
そして、そのことが、つまり怖い大人の存在が、
一種のしつけになった面があったと思うのです。

もちろん、怖い大人の存在以外にも、
悪さをしたときの罰は、なかなかの負担感でしたし、
たとえば、夜に笛を吹くと蛇が来るとか、
ごはんを粗末にすると目が潰れるとか、
そういう“脅し”も、いくらでもありました。
そうそう、「ウソついたら針千本飲~ます」もそうですね。

脅すことが良いか悪いかは別として、
こういうことが複合的な抑止力となって、
子供はしつけられてきたのだと思うのです。

正月からこんなものをお見せするのも気が引けますが、
昔は、こんなアンデルセン童話も放送されていました。
ものすごく耳に残る歌声なので、閲覧注意です。


https://www.youtube.com/watch?v=Zp9GV0jHEP0


要するに、お高く留まった少女・インゲルが、
ぬかるみで靴を汚したくないばっかりに、
もらったパンを水溜まりに投げ込んで踏み石にしたところ、
そのパンはどんどん沈んで、インゲルはそのまま地獄に堕ちましたと、
そういう話です。(本編 ⇒ こどもにんぎょう劇場・パンをふんだむすめ
もう、トラウマになるような童話ですよね。
「パンを踏んだ娘、パンを踏んだ罪で地獄に堕ちた」って、
同じ歌詞を繰り返す主題歌も恐怖心を煽ります。
パンを踏み石に、は、黙っていても普通はしないと思いますが、
これを見た子は、どうあってもパンを踏み石には絶対できません。

ならぬものはならぬ。
それを越えてくる傍若無人は許さない。

日本の教育って、そういうものだと思うのです。

しかし、昨今、そういう日本的美徳が絶滅の危機に瀕している感じがします。
ならぬものはならぬと、強く押し止めたり怒ったりする大人はいませんし、
蛇が来るとか、針千本飲ますとか、迷信めいた言葉に効果はなし。
なかんずく教育現場などでは、「目が潰れる」なんて言えないわけで。

そうして、子供を怒ったり怖がらせたりしないでいるうち、
自分のことを主張する子供ばかり増えたように思います。
自分のことを理解してもらうため、主張することも大切ですが、
それは全体の調和のなかで許されること。
自分はこういう人間ですからと規定してしまい、
それを守るため、唯我独尊とばかりに自分を強弁し、
他人からのアドバイスなんて聞かないよ、
「私は私よ、関係ないわ」って、明菜ちゃんじゃあるまいし。

日本人の美徳。
“ありました”と過去形で言わなければならないほど、
近年は、日本人の道徳心の欠如が指摘されています。

ならぬものはならぬ。
和の精神で成り立ってきた、
規範意識の高い国・日本。

だからこそ、周囲との調和に価値を見出だし、
チームワークを高める必要がありましょう。
自分に厳しくありたいものです。

[SE;KICHI]
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