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銭湯の話

寒い日が続きます。
こう寒いと、お風呂が恋しいものです。

私はわりと銭湯が好きです。
極楽湯とかの、いわゆるスーパー銭湯も悪くはないのですが、
私はどちらかといえば、昔ながらの古臭い銭湯のほうが好きです。

ここ富山は、人口10万人あたりの銭湯の数が10.78軒だそうで、
それはダントツの日本一です。(一般公衆浴場業 - 2009年)

そういえば、東京とか大阪とか、大都市の銭湯の経営者って、
大半が富山県・石川県などの北陸出身者なんだそうですね。
実家の跡継ぎになれない農家の次男・三男が都会へ出て、
長い下積みを経て、独立して自分の店を持つようになったからだそうです。

そうそう、昔の銭湯には三助さんという、背中を流してくれるおじさんがいましたね。
橘さんとおっしゃったでしょうか、東京の「斉藤湯」にいらっしゃる三助さんで、
この方が「最後の三助さん」なのだそうです。
私も、初めて背中を洗ってもらった時に何となく話したのですが、
この橘さんも富山県氷見市の出身なんだそうで、びっくりしたのを覚えています。

私は、なにか大事なことを考える際に、銭湯に行くことが多いです。
思えば、父が亡くなった日には富山市の「島倉の湯」で故人を偲びましたし、
いまの仕事への転職を決めたのも豪徳寺の「鶴の湯」でした。
大学受験で訪れた熊本では試験の前日に旧遊郭に残る「泉湯」で明日に備えたり、
ほかにも新潟は米山の「みどり湯」とか、福岡は博多の「大春湯」とか、
なにか大事なことを決めるとか、どうすればよいかを考えるような時、
私の人生の節目には、銭湯がありました。

よく、魚釣りのことを“釣禅”と呼ぶ方がいらっしゃいます。
釣りは坐禅にも似てどっしりとした平静心が大事であり、
気が散りやすい人は魚釣りに向かないというような意味でしょうが、
それに似た感じで、造語なのでしょうけど“湯禅”という言葉も、あるそうですよ。

湯に浸かっている状態というのはリラックスした状態なので、
そういうときこそ自分を見つめてみようということなんだそうです。
世の中には、入浴が苦手で、
5分もすると湯から出たくなる“カラスの行水”派の方もいらっしゃいますが、
そうではなくて、ゆっくりと湯に浸かって明日のことを考えようと、
“湯禅”とはそういうものなんだそうです。

ところで、私は20年ほど前、富山県内の銭湯巡りをしていたことがあります。
自宅に浴室があるので、それまではほとんど銭湯には縁がなかったのですが、
ある日、『とやまいい湯ガイド』(現在は絶版)という銭湯紹介本を読んだ私は、
突然、銭湯に行きたくて行きたくてたまらなくなり、
早速、富山県公衆浴場業生活衛生同業組合というところが出している回数券を買い、
半年ほどかけて、100店ほどの銭湯を巡ったものです。

銭湯というのは水道水にしろ井戸水にしろ、基本的には沸かし湯なのですが、
面白いことに、たくさん回ると、
おがくずで沸かしているのか、重油で沸かしているのか、分かるようになってきます。
どうでもいいことですが、場数は踏んでおくものです。

さて、『とやまいい湯ガイド』は20年ほど前の本ですが、
いま、その本に収載されている銭湯の1/3くらいは廃業しちゃっています。
奥田用水沿いの「ちんまの湯」とか、しののめ通りから少し入る「天福湯」とか、
赤江川沿いにあったその名も「赤江川の湯」とか、
私はわりと渋めの銭湯が好きだったのですが、今はもうありません。

燃料の高騰や後継者難が理由なのかなと思ったりもしますが、
スーパー銭湯が百花繚乱なので、
古い銭湯はきっとそれに押されているのでしょう。

先日といっても昨年3月の話ですが、またしても古い銭湯が“殉職”しました。
富山市の中心部にあった観音湯です。
観音湯
http://sky.geocities.jp/station70blazer/toyama-kannonyu.html

観音湯は昔ながらの、脱衣所側に番台が設置された銭湯で、創業は1930年だそうです。
その名の通り、番台の真上に観音様を祀っている銭湯で、
繁華街の真ん中にあるのに、実に静かな銭湯でした。
“貫”とか“瓩”という度量衡の目盛がついた古い体重計とか、
動かなくなった大きな古時計とか、地元の商店の広告が書かれた鏡とか、
私は、そういう歴史ある民具に囲まれ、じっくり入浴するのが好きでした。
現在は解体され、この写真の建物すら残っていません・・・。

銭湯って、もとより時代に淘汰される職種だとは思うのですが、
若いお客さんがスーパー銭湯に流れてしまって、減っていくのはさみしい限り。
私に言わせれば・・・
スーパー銭湯って、なんか、どこも一緒だし、
人情味がなくて、つまんないんですよっ!

あぁ、悔しいなぁ。

銭湯がこれ以上減らないよう、祈るばかりです。

[SE;KICHI]
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