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うっすら信仰

戦後、GHQは、日本人が二度と戦争をしないよう、日本人から宗教を奪いました。
「天皇陛下万歳!」などと叫びながら散華した戦いぶりを考えれば、
再び立ち上がらせないよう、国家神道という精神的支柱を奪っておくことは、
GHQにとって必須なことだったことでしょう。

おかげで、日本人は宗教を奪われ、GHQの思惑どおり、わりと脆弱な国になりました。
世界では、個人が各々、自分の意思で何かの宗教を信じているのが普通です。
日本人は、わりと簡単に「オレって、無宗教だからさぁ」などと得意げに言いますが、
それって、世界標準では、
「オレって、自分の中に軸がないからさぁ」と言っているようなもの。
善悪が判断できない、信用ならぬ人物との評価を受けるのは以前紹介したとおりです。
それもGHQのせいではあるのですが、アメリカ人の友人に聞いてみたところ、
そうだとしても、いつまでもそれに甘んじているのは、
日本人の気概の問題とのこと。
なるほど。

このように、特定の宗教に肩入れせず、世界の潮流に逆行している日本人ですが、
こと、この時期だけは特別のようで、みんな一斉に神社に殺到します。
これって、信仰心ではないのでしょうかというのが私の疑問。

たとえば弊社のKAZSOUさんは、例年、初詣は越中稲荷神社に出かけるそうです。
例年そうしていて変えないということは、少なからず信じているということでしょう。
江戸時代を中心に、全国で稲荷神社の勧請が流行り、
越中稲荷もたぶんその一社なのだと思いますが、
稲荷神社の祭神は宇迦之御魂神で、この神は農業・商工業の神なので、
おそらく、KAZSOUさんは御利益を信じ、家運の隆昌を祈念しているはずです。
ここ数年、なんだか羽振りがよさそうなので、初詣の甲斐もあったのでしょう。

同じく弊社のWAKAさんは、例年、初詣には自宅近くの神社に参拝するそうです。
この神社は少し離れた場所にある大きな神社から勧請されたものだそうですが、
もとの神社の祭神は、確か淤母陀琉神・訶志古泥神だったと思います。
これは古事記に出てくる神世七世の第6代で、いわゆる天地開闢の神であって、
はっきり言って御利益とかそういう次元の神ではないと思うのですが、
WAKAさんはどういう……あぁ、きっと選挙にでも出馬するつもりなのでしょう*①

また、同じくkomeさんは、例年、能登半島の付け根にある気多大社に出かけるそうです。
祭神は大己貴命、つまり縁結びの神として有名な大国主命ですが、
農業神、商業神、医療神でもあるので、つまり福の神であり、なかなかのチョイスです。
このkomeさんは信仰深いのか、気多大社とは別にもう1社、
例年、武素盞嗚尊と櫛稲田姫命を祀った神社にも参拝しているそうです。
この2神は夫婦ですので、夫婦円満・縁結び・家庭和合などのご利益がありそうです*②

私は、これらの話を聞いて、なかなか微笑ましいと思いました。

毎年同じ神社に行くというのは、確かに習慣が思考を奪うという面もあるでしょうが、
積極的に否定するような理由もないから、同じ神社に行っているわけだし、
その神様をそれなりに信じているということでしょう。
これって、信仰心ではないのでしょうか。
「いやいや、初詣はみんな行くものだから」と言われるかもしれませんが、
初詣なんて、イヤなら行かなければいいぐらいのものですよ。
毎年同じ神社へ初詣に行くなんて、なかなか意志の伴う行為だと思うし、
私は、これらの感覚を、
一種の信仰なのだろうなと思うのです。

七五三も葬式も宗教の儀式であり、やる・やらないは自由であって、
「無宗教だ」と言うならやらなければいいのですが、やるでしょう。
右へ倣えという日本的心情はあるでしょうが、
うっすらとでも、その儀式の意味に対する肯定感がベースにあるはずです。

もちろん、当人が無自覚であるという、世界的には珍しいケースではあるので、
諸外国のような、積極的な信仰とは言えないかもしれないけれど、
日本人は、このように薄く広い信仰を持った民族なのだと、私は思います。

日本人は「自分は無宗教だ」などと、
世界で理解されないことを、なぜか堂々と口にしながら、
正月には神社へ行き、結婚式は教会で挙げ、死人が出たら寺院に駆け込むという、
なんとも節操のない行動をとっている民族であると指摘されがちです。

もし、その指摘が妥当なら、私は日本人の民族性を少し不快に思うのですが、
私は、この指摘は必ずしも当たっていないと思っています。
すべてのイベントは、イヤならやらなければいいのですが、
神社も教会も寺院も、わざわざ自分の意思で選び、
敢えて生活に取り入れているわけなので、
無神というわけではないでしょう。
イベントごとに宗旨が変わるところが節操なく見えるけれど、
それぞれの宗旨に対しては、薄い信仰を持っているのだと思うのです。

なかなか懐の深いことです。
私はそのことに、少し安堵し、微笑ましいと思うのです。

さて。
オチをつけるようで申し訳ないのですが、弊社のTOTSUさんは、いけません。
毎年、初詣の神社を気分で決めちゃっているそうなんです。
なので、初詣で訪れる神社は正月ごとにバラバラで、
ある年は大山咋神に参り、またある年は伊邪那岐神に祈るという一貫性の無さ*③
頼む相手をそうコロコロ変えて、
願いは聞き届けられるんでしょうかね。

私は、やはり、何の神様でもいいから、
主治医のような感じで、「自分はこの神様に祈るのだ!」という軸を一本立て、
祈る対象を決めておいたほうがいいのではないかと思うのですが*④

このTOTSUさんは、
「ある年、成田山に初詣に行ったら、神社じゃなくてお寺で、がっかりした」と、
お寺全般に対して失礼なことも言っていました。
ま、先入観の男なので、『初詣は神社でしょ』と思ってるんでしょうが、
別にお寺でも初詣はやっていますし、教会でもやっていたりしますよ。
あたりまえでしょう、どの宗教でも新年を祝う文化はあるのですから。

ちなみに、私は、月に何度も神社や寺や教会に行くタイプなので、
あえて正月に初詣に出かけることはしません。
寒いし、混むから。


 *① 淤母陀琉神・訶志古泥神については、一部で足病平癒や交通安全の信仰もあります。WAKAさんはそれを狙ってるのかな?
 *② 素戔嗚尊単独の場合には武運の御利益があるとされています。大国主命の祖先にあたる神です。
 *③ ただ、TOTSUさん自身が持っている一族のルーツから考えると、伊邪那岐神というのはなかなか縁がある神様で、選択としてはアリな気もします。
 *④ 昨年、ご長男が生まれた彼は、この地方の風習に従い、床の間に天神様を祀っているそうです。形よりも、まず信じないことには始まらないと思うのですがねぇ。


[SE;KICHI]
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近所の神社というのは氏神様ではないのですか?
ブログで社員を悪く書くのはパワハラでしょう
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