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9月9日、歴史的な出来事!

9月9日の歴史的な出来事に、私は興奮しました。

そう、それは、“昭和天皇実録”の公表です。

“昭和天皇実録”は、
昭和天皇の誕生から崩御までの87年間について、
宮内庁が24年5箇月もかけて編纂した公式記録です。

私の、最も関心のある領域は、一言でいえば『民俗学』とか『社会学』で、
「ヒトが、どういう心情で、どう行動したか」などを考えるのが、大好物です。
天皇という存在に『民俗学』などをあてはめてしまってよいのか分かりませんが、
私は、この手の実録モノに、結構、興奮を覚えるのです。

今回の“昭和天皇実録”は、8月21日に今上天皇に奉呈されたそうですが、
それが9月9日付で公表されるとは、
先々代の“大正天皇記”が、70年余も編纂の事実が隠されていたうえ、
最近ようやく公開されながら黒塗りの箇所が多いのと比べると雲泥の差で、
まず、今回の宮内庁のスピード感に驚きます。

いまのところ、私はいくつかの新聞などに載った抄録を読んだだけなのですが、
今回の“昭和天皇実録”では、
2・26事件や太平洋戦争における軍部の暴走に対する苦悩など、
その時々の昭和天皇の心情が伝えられており、
特に、原爆投下から終戦に至る重大な局面「ご聖断」については、
正確な時系列で会談相手や発言内容が明らかにされています。

この“昭和天皇実録”によれば、
昭和天皇は、太平洋戦争の開戦について、
「捨て鉢の戦をするにほかならず、誠に危険」と、
開戦には反対の立場で、できるだけの外交努力を指示し、
杉山参謀総長の楽観論を喝破するなど、一貫して回避を主張していたようです。

凄いなと思うのは、真珠湾攻撃の2箇月前から、万一の開戦に際し、天皇は、
「戦争終結の手段を最初から充分に考えよ」と言っていることです。
この考え方は、当時の軍部からは弱腰の意見に見えたかもしれませんが、
孫子の「善く戦う者は不敗の地に立ち、而して、敵の敗を失わざるなり」に近く、
現代の経営学や参謀学などの分野で、弱者の兵法として確立されているものです。
真珠湾攻撃の2箇月前、開戦すらしていない段階での意見としては、
かなり先見性を感じるものです。

それから終戦に至る4年ほどの間、天皇は終戦を訴え続けながら、
その主張をことごとく軍部に押し返されるという、
統帥権の総攬者と言いながら、無力感たっぷりの日々を過ごしています。

結局、アメリカとの外交工作が決裂した後、
天皇は大元帥として軍を鼓舞する役回りを求められ、
表向きはそれを忠実にこなしつつも、
側近の木戸幸一などには、「陸軍の強硬意見で、何も言えない」と愚痴っており、
立場上の迷いや葛藤の深さが窺い知れます。

私は、太平洋戦争(というか第二次世界大戦)には、
アジアの植民地の解放という意味合いもあったと理解しているほうなので、
必ずしも戦争がなければよかったとは思っていませんが、
昭和天皇のように、戦争回避の強い意志を持ちながら、
それを阻まれた方がいらっしゃったことに、感銘を受けます。

私は、これを読んで、つくづく、天皇というのは、大変な立場だなぁと、
特に面識があったわけではないけれど、
その苦しみに思いを馳せずには居られません。

また、私は、以前話した持統天皇のほか、
桓武天皇や継体天皇なども面白いと思っているのですが、
なかなか、昭和天皇という天皇も、歴代天皇のなかでは異色でしょう。

特に、いわば“神の一族”として生まれ、
幼少期から、そのように振る舞うことを求められるのは全天皇共通でしょうが、
昭和天皇は、戦後、アメリカによる統治上の戦略として天皇制が残された後、
最終的に終戦によって「神ではない」と宣言しなければならないなど、
普通の人間としてもあり得ませんが、歴代天皇にもない話です。
その心中はいかばかりか、一般人の私は想像するしかないわけですが、
今回の“昭和天皇実録”で、その一端は垣間見させてもらえたような気がします。

この“昭和天皇実録”については、重要な岐路について明言していないとか、
両論併記のような曖昧な形になっている個所があるとか、
まぁ、それなりに批判も出ているようですが、
昭和天皇の人間的な側面を知ることができ、有益な資料だと、私は思います。

自分の一生のうち、
天皇の実録の公開に接するなどという機会もなかなかないでしょうから、
これはやはり歴史的な出来事。
無関心でいることは損ということで、
まずは興味を持たれることをお勧めします。

 タイトルを見てテニスの話だと思った方、すいません。
 勝負事にはからっきし、興味を持てない性分なものですから。


[SE;KICHI]
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