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意外と身近な社会変化

第二次ベビーブーム以降、出生数が右肩下がりになっていて、
人口減少に歯止めがかからないという話はよく聞きます。

その原因として、よく言われているのが、
待機児童やワーキングプアの問題をはじめとした、子育て環境の問題です。
なるほど、深刻な問題であるように思います。

ところで、出生率低下の傾向は特に首都圏などの都市部で顕著のようで、
その分、田舎の、都市部と比べれば比較的高い出生率が、
全体を下支えしているとされてきました。

ところが、国立社会保障・人口問題研究所の統計によれば、
2040年、20~30代女性の人口が、現在の半数以下に減る自治体が350以上あるそうです。
別の増田元総務相の調べでは800以上とも言われます。
20~30代女性と言えば、出産や子育ての中心世代ですから、
この年代層の女性が半減するということは、出生率もかなり減ると予想されます。
そして、半減が予測される370の自治体のほとんどは田舎です。
つまり、都市部の出生率低下を田舎が支える構図が、近々壊れるということです。

なぜ、そのようなことが起きるのかと言えば、
就職や進学で上京した女性たちが、以前なら適齢期に田舎に帰っていたのが、
最近では田舎に安定的な職場がないため、帰りたくても帰れない状態で、
そのまま東京にとどまるようになっているからだそうです。
実際、ここ10年ほどの東京は当該年齢層の女性の転出超過が続いているそうです。

そうすると、田舎では嫁のなり手がないために出生率は上がらず、
首都圏の低い出生率を補填できる地方がなくなるということになります。

つまり、出生率の低下は、子育て環境の問題だけではなく、
働ける環境が地方にないという問題が大きくかかわってくると分かります。
待機児童の問題は、おおむね都市部にだけ起こる深刻なテーマですが、
田舎でも、社会構造を変えないと人口流出は止まらず、
出生率は増えようがないという話です。

さて。
大変にシリアスな話でしたが、ここまでは前置きです。

富山市在住の、私の友人の話です。
その友人は、富山駅の近くの中心街に建つマンションの1室を購入し、
家族4人で暮らせるようにリフォームしたうえで、現在そこに住んでいます。
9階だったか10階だったか、
工事中の北陸新幹線の線路を眼下に見下ろす、なかなかのロケーションですが、
いつまでもそこに住んでいるつもりはないようで、
目下、一戸建ての物件を探しているようです。

聞けば、富山市内で、
比較的、学校の授業レベルが高いというS小学校やK小学校に子供を通わせるため、
その校区内に一戸建てを建てるための土地が売りに出るのを待っているとのこと。
現在、待っているところだそうですが、
子供が小学校に上がる時期がタイムリミットなので、少し焦っているようです。

このように、
特定の地区で一戸建てを建てるチャンスをうかがうために、
とりあえず中心街の分譲マンションを買って住んでいる

というケースは、
少し前までは非常に珍しいケースでしたが、
現在の富山ではかなり増えてきており、
私の周りにも、思いつくだけで5家族くらいはいます。

多くは、あまりクラス数の少ない学校では学力の切磋琢磨が望めなさそうとか、
人格の陶冶のために行事も必要だが授業時間数は減らさないでほしいとか、
そういうことを選択の基準に据えているようです。
実際、前述の友人も、
自身の実家近くの、小規模で呑気にやっている小学校は捨ててきているわけで、
そういう意味では教育レベルを求めた亡命と言えます。

教育レベルの向上を求めた亡命自体は、親心として当然だとも思うのですが、
この例ではS小学校やK小学校に人気が集中した結果、
小学校の密度にかなりの不均衡が生じ、問題になってきているようです。

冒頭の、スケールの大きな人口動態の話を聞いたとき、
なにせ2040年の話なもので、「ふうん」などという生ぬるさを感じた私ですが、
友人の教育亡命の話を聞いて、
親の思い入れなどによって、
環境を求めて移動するということもあり得るものなのだなと、
なかなか新鮮な感慨を覚えたのでした。

ちょっと卑近な例で恐縮でしたが、
人口動態など、社会全体の問題は、
様々な、意外なケースに形を変え、
身近に転がっているものなのかもしれませんね。


[SE;KICHI]
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