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池波正太郎の世界

「時代劇専門チャンネル」とかを見ていると、よく池波正太郎の名前を目にします。

池波正太郎といえば、『鬼平犯科帳』,『剣客商売』,『仕掛人・藤枝梅安』など、
時代小説の傑作を数多く世に送り出した作家として名高いですが、
実はかなりの“粋人”として知られています。

それは、『鬼平犯科帳』のような映像化されたものを見ていても感じにくいのですが、
原作を読んだり、エッセイを読んだりすると、食に関する表現が非常に多彩で、
あぁ、この人は、
若い頃から、食を人生の楽しみとして常に探求してきたのだなと、感じます。

面白いのは、彼が旨いと感じたものは、必ずしも高価な料理ではないということです。
「時代劇専門チャンネル」では、『池波正太郎の江戸料理帳』という、
池波正太郎が愛した料理を再現するという番組もやっていますが、
そこで紹介されているレシピなど、
「白魚の卵とじ」やら「韮の味噌和え」やら「鱒の味醂漬け」やら、
おおよそ庶民的というか、小料理屋の突き出しのようなメニューです。

巷間、“池波正太郎が愛した店”などと言われるとすごく高尚に感じますが、
この人の真髄は、「美味しいと感じたものは、美味しい」という、
自分の感性を大事にする、素直な感じです。

例えば、そばについて、著書『男の作法』ではこう書いています。

 そばというのはみんな各地によって違う。
 田舎そばと東京の蕎麦は違うわけだよ。
 田舎そばって、うどん粉をあまり入れないで真っ黒い蕎麦を手で打って、手で切って、
 パラパラになったような蕎麦もまたそれでいいわけなんだ。
 東京の蕎麦のように細くてずうっとスマートに作ってある蕎麦も、
 それはそれでいいわけなんだよ。
 だから、何がいいと決めないで、
 その土地土地によってみんなそれぞれ特徴があるんだから、
 それを素直に味わえばいいんですよ。
 どこそこの何という蕎麦でなければ、蕎麦じゃないなんて決めつけるのが
 一番つまらないことだと思う。


この『男の作法』という本には聞き手がいて、
上記は「そばはやっぱり本場に行って食べるべきか」という聞き手の質問に対して、
池波正太郎が答えたものです。
このあと、「つゆにどっぷり漬けないほうがいいか」とか、
「そば茶を出さないそば屋はどうか」とか、質問が続きますが、
 だけど、それでなきゃいけないとか、それ以外は駄目だなんて言うことはない。
と一蹴されます。

○○でなければダメだという決め付けが一番つまらないと。
なるほどなぁと思います。

考えてみたら、食べ物は、食べてみて美味しいかどうかが肝ですよね。
店構えとか、食器とか、演出の部分も大切な要素ではあるけれど、
やっぱり最後は、自分がそれで納得できるかどうか。

そして、この『納得』って、自分の裁量で拡大することが可能だと思うのです。
あれもダメ、これもダメと言っていると、
納得するのは容易ではないのだけれど、
あれも素敵、これも素敵と言っていれば、
いろんなことに納得できます。

もちろん食べ物に限ったことではなく、見るもの着るもの、なんでもそうです。

私たちは看板に騙されやすいので、
「本場」とか「元祖」とか言われると特別に感じるものです。
それは納得するための一つの材料かもしれないけれど、
自分の感性とは関係のない納得です。

人は最後には
プライベートでも仕事においても孤独になっていきます。
私は、その時にどう生きるかが大切だと思ってます。
いろんなことに幸福を感じることのできる自分となり、
また、そのための感性を常に磨いていきたいものです。


[SE;KICHI]
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