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いづくにもあれ

日本一有名な随筆である『徒然草』の第15段には、
「いづくにもあれ、暫し旅立ちたるこそ、目さむる心地すれ。」と書かれています。
まぁ、「どこでもいいけど、旅行っていいよ」ってことです。
吉田兼好は、旅先の澄んだ空気を吸うと心のアンテナの精度が上がると、
旅情に浸り、リフレッシュすることを勧めています。

しかし、最近は、どこに行ってもコンビニがあり、
イオンやイトーヨーカードーが深夜まで営業しています。
街並みなどから旅情を味わうというのは、なかなか難しくなってきています。

私は、好きで、たまに「日本の宿を守る会」加盟の旅館に泊まったりするのですが、
そういう旅館の御主人に話を聞けば、
建物も食べ物も、よっぽど珍しいものというのはすでにないようで、
独自色を出しながら旅情を演出することは本当に難しいことなのだそうです。
確かに、むやみに山奥か離島などでなければ、
旅情を掻きたてるような情景には出合えないかもしれません。

ところで、話は変わりますが、私の電話の着信音には、
山本コウタローとウィークエンドの岬めぐりが入っています。

この曲、少し古いのですが、ご存じでしょうか。

「岬めぐりの バスは走る 窓に広がる 青い海よ」
という、アレです。
曲を知っている人なら、情景を思い浮かべることができるはずです。
なかなか切ない、旅情あふれる曲です。

どこか特定の岬をイメージして作られた曲ではないと思うのですが、
なんとなく三浦半島のイメージに合うということで、
京浜急行という鉄道会社が、三崎口駅の列車接近メロディに採用しています。
三崎口駅のホームに立っていて、不意にこの曲を耳にすると、
あぁ、のどかなところまで来たんだなぁ、という感じがします。

私は、特に鉄道マニアというわけでもないのですが、
ご当地ゆかりの列車接近メロディなどを聞くと、
ついつい旅情を掻きたてられる感じがします。

他には、岡山県の、瀬戸大橋の少し手前、JR児島駅の列車接近メロディは、
小柳ルミ子の瀬戸の花嫁です。
特に秋の日暮れ時など、人の少なくなった高架のホームで
「瀬戸は日暮れて 夕波小波」などというメロディーを聴くと、
穏やかな瀬戸内海の海の情景が浮かんできて心穏やかになります。

しかし、京急の三崎口駅も、JRの児島駅も、
実は、岬や瀬戸内海を想起させるようなロケーションではありません。
しかし、自然物に関心のない私にとって、それは問題ではないのです。
つまり、「岬めぐり」や「瀬戸の花嫁」という選曲は、
単なるイメージ戦略というか、雰囲気だけのことなのです。

ここまで考えてハッとします。

音って旅情にとって重要な要素なのではないかと。

街並みなど、視覚に頼る旅情の醸成が難しいのであれば、
料理など、味覚に頼る旅情の醸成が難しいのであれば、
音楽など、聴覚に頼る旅情の醸成、どうでしょうか。

そういう意味では、列車接近メロディも、
なかなか役に立つものなのかもしれません。

[SE;KICHI]
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