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あの犬、実はウチの犬なんや ~観の転換~

富山県出身の人物で、現在存命の人物のうち、
誰が一番大物かなぁと考えたら、立川志の輔かなと思います。
私はスポーツに関心が乏しいので偏ってるかもしれませんが。

彼の落語のマクラによく出てくるのが、
自身が生まれ育った猟師町のエピソードです。

犬が飼いたくてたまらなかった幼少期の彼、
犬を買ってくれるようにお爺ちゃんにねだったのですが、ダメだ、と。
泣き喚けば翻意してくれるかと全力で泣いたものの、
結果は変わらず、ダメだ、と。

しかし、目を泣き腫らしていた志の輔少年を不憫に思ったお爺ちゃん、
孫である志の輔少年を散歩に連れ出します。
そうすると、向こうから、肉屋のオヤジが犬を連れてやってきたのですが、
そこでお爺ちゃんは言うわけです。
「ここだけの話、肉屋が連れてるあの犬、実はウチの犬なんや。
訳あって、いま、肉屋に預けてあるんや。
なぁに、ウチの犬なんだから遠慮はいらん、
行って可愛がってきたらいい」と。
いたいけな志の輔少年、言われた通り、肉屋の犬に近づいて、
自分の犬だと思い込んで可愛がります。

またしばらく歩くと、別の犬が知人に牽かれて散歩をしていたのですが、
お爺ちゃんはまた、「あれもウチの犬よ。
面倒くさいからあの人に散歩を頼んでるんだ。
あれもウチの犬なんだから遠慮はいらん、
なでてきたらいい」と言うのです。

結局、お爺ちゃんは何が言いたかったのかというと、
人間、「所有欲」というのはあるものだが、
見方を変えて、
世の中のものは全部自分のものだけれど、
いまはたまたま預けてあるのだ、と考えることにより、
いつでも手に入るんだからガツガツする必要はないさ
と、
湧き上がる「所有欲」を抑える秘訣を教えてくれていたのでしょう。

志の輔師匠は落語家ですからね、
街で男がイイ女を連れて歩いているのを見かけると、
お爺ちゃんの教えを思い出し、
「あの女は本当はオレのもので、
いまはあの男に貸してやってるんだと思うことにしている」と、
オチがつくわけですが。

初見時、なんてエキセントリックな話かと思ったものですが、
思い起こせば、自分も母親あたりから似たようなことを言われた覚えはありました。
なので、表現はともかく、ある程度は普遍的なことなのでしょう。

つくづく、教育というのはこういうことなのだな、
つまり、つらい時の考え方を教えているのだなと思うわけです。

つらい時、もっとつらくなるのは、簡単なことですよね。
自分のことを「なんで自分ばっかり」とか、責め続けたらいいんです。
そしたら、どんどん惨めになって、卑屈になっていきますし、
そのまま深夜になれば死神も忍び寄ってくることでしょう。

一方、つらい時に底を打って上向くためには、
国語や算数ではなく、このような観の転換が必要でしょう。
つまり、世の中のものは、いまはたまたま預けてあるだけで、
すでに全部自分のものなんです、と。
だから、手に入らなくてイライラすることはないってことです。

本当にそうなのかどうなのか、そういう検証は必要ありません。
人間、つらい時にどう考えたら少しでも心穏やかにいられるか、
そういう方法を、
各人、開発して持っておく必要があると思うのです。


[SE;KICHI]
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