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『天間荘の三姉妹』

年に数本だけ、渾身の選択で映画を鑑賞する私。
天間荘の三姉妹という映画を観ました。

ストーリーは、交通事故で臨死状態となった小川たまえが、
幽体離脱というか、魂だけの状態になって天間荘という旅館に連れてこられ、
2人の異母姉が営んでいるその旅館で住み込みで働くなかで、
面倒な宿泊客と向き合いながら成長するという、書くとありきたりな筋書きなんですが、
この天間荘という旅館の立地がキモで、
天界と地上の間にあるという街に建っており、
死にかかった人は、この旅館に止宿し、
現世に戻って生きるか天界へ旅立つかを考えるという設定。

若干の既視感があったのは、『千と千尋の神隠し』でも、
主人公がワケも分からず連れてこられた油屋は旅館のような場所で、
そこで働きながら成長するところも、その旅館の立地の特異さも、
世界観として、なんとなく似通っているように見えるからでしょうか。


https://www.youtube.com/watch?v=hAv9H-erb9w

というわけで、この映画は実写でありながら、ファンタジー映画です。
こう言ってはナンですが、そんなに技術的に上手に作られた映画ではなく、
案の定、ネットではご都合主義だとかいろいろ言われているようですが、
ファンタージ―映画のリアリティを指摘するほど無粋なこともありませんので、
私はそんなに気にならずに楽しめたのでした。

なにより、死生観が、ドンピシャではないけれど、私の価値観に合っていました。

何度か披歴しているように、
私は、自分の人生は生まれる前にあらかた計画を立てて、
その計画を神様に承認されて生まれてくると思っています。

本当にそうかどうかは実質的に分かりませんが、
そもそも、人生というのは、時に理不尽なことも起こるもので、
そういうときに、あらかじめ立ててある計画通りだと思えば、
まぁ、消極的だったとしてもおさまりはいいもので、
どんな艱難辛苦が降りかかっても割り切れると思うのです。
いずれにしても、まずは、死んだら灰になるだけだという、
目に見えないものは信じないという唯物論的価値観ではなく、
漠然と、どこかには還っていくんだろうなと思っておいたほうが、
いざというときに踏ん張る力になるだろうなとは思います。

さて。
あまりネタバレになるようなことは言えませんが、
この映画は、上記のような、観る者の世界観によって、
冒頭で物語の設定を理解できるスピードが変わります。
映画の世界観に入り込むためのタイムラグが個々に異なるといったところです。
そして、最終的には、バカじゃなければ、
この映画が製作された意図が分かってくるわけです。

人生というのは、時に理不尽なことも起こるものと前述しましたが、
人の生死があらかじめの計画通りだったとしても、
東日本大震災しかり、ウクライナのような戦時下しかり、
ついさっきまで、普段どおりの日常を過ごしていたのに、
ほんの数分後に、自分が存在していた街ごと破壊され、
自分の命もなくなっていたとしたら…
「死んだ」という自覚のないまま亡くなった方が、何万人もいることでしょう
不意に、もしかしたら本人も気づかないうちに命が奪われるようなことも、
あるかもしれません。
不意に訪れた死に、ワケも分からず右往左往するかもしれません。

そのように青天の霹靂で命が終わった人は、
ちゃんと亡くなったって認識できるのでしょうか。

納得がいかない!とか、もっと○○がしたかったのに!とかって思うのでしょうか。

私は、そういう意味でも、
人生はあらかじめの計画通りという世界観は合理的というか、
自分を納得させるのに好適だと思っているのですが。

この映画を見ていると、急に命を奪われて「納得いかない!」人は、
「もっとやりたいことがあったのに!」とか、
「もっと行きたい場所があったのに!」とかではなく、
「あの子は無事なのか?」とか、
「アイツは元気にやってるのか?」とか、
生死によって分かたれた誰かを案ずる念なのだなと思うのです。
平たくいうと、「納得がいかない!」のは、
「別れの挨拶もできないなんて、納得がいかない!」ってことなのでしょう。

人が他人の事を思い、
他人のために頑張ることは尊いなと思います。

逆に、自分の収入や地位や名声など、欲のために頑張っている人を、
人はさもしいと評するものです。

正直、この映画は商業作品としては弱いかもしれません。
でも、イイ映画なんですよ、人が人のために作った映画なんです。

[SE;KICHI]
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