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変容に隠れている弱体化

〽戻りたい 戻れない 気持うらはら……
という歌がありました
が、いま、そんな感じですねぇ。

学校が休校になっている都合で、子供たちの学習が遅れがちになっているので、
それを補うため、全保護者を定期的に学校に呼び、
課題を持ち帰ることを要求している学校があるようです。
要は、宿題を保護者が取りに行くスタイルです。
その手法が良いのかそうでもないのか、私には分かりませんが、
私が驚いたのは、その方法。
訪問した保護者を校舎内には入れず、
玄関の外に出した仮設の机で対応しているんだそうです。
寒風吹きすさぶ机のところに先生が交代で立って、
やってきた保護者の身元確認をし、課題を渡しているんだそう。
それを聞いた私は、寒い中で立っている先生方が気の毒で、
「そんなの、玄関に近い理科室とか、屋内でやればいいのに」と思ったのですが、
ダメなんですって。

「校舎に入りたくないっておっしゃる保護者の方、
このところ多いものですから」
ですって。

もちろん、その学校は、コロナ感染者が出た学校ではありません。
ただ、教育委員会の指示で休校しているだけの、いつもの学校で、
別に、今回のコロナ騒動で特に汚染されたということはないのです。
つまり、特に汚れているわけではない普通の学校なんですが、
そこに足を踏み入れたくない保護者が多いということなのでしょう。

少し、冷静さを欠いているのではないでしょうか。

まぁ、このご時世ですから、
見えないウイルスの脅威に戦々恐々という気持ちも分からなくもないのですが、
学校が再開された暁には、
ご自分のお子さんもそこに通うのだということを、どう許容するのでしょうか。

かつて、学校というものは、そうキレイな建物ではありませんでした。
いや、掃除の時間というのがあって、毎日のように雑巾掛けしていましたから、
それなりにはキレイにはしていたのでしょうけど、
古くなった建物と設備は、そんなに清潔とは思えませんでした。
そんななかでしたが、児童たちは、
教科書を読み合わせたり、消しゴムを貸し借りしたりしていました。
給食の時間には向かい合わせで話しながら食べ、
お調子者のトークに牛乳を吹き出す子などもいましたし、
床に落とした磯辺揚げなんかを、拾い上げて食べたりもしたものです。
さきほど掃除の時間の話をしましたが、
その時に使う雑巾は牛乳臭く、お世辞にもキレイとは言えませんでしたし、
それ以外にも、ボールを掴んだり、鉄棒を握ったり、
学校生活が清潔かと言われれば、そうとは思えないことばかりでした。

もともと、キレイなんかじゃないんですよ。

それでも、毎日通って集団生活するなかで、
ほどほどにおなかを壊したりモノモライを作ったりしながら、
床に落とした磯辺揚げは食べてはいかんのだな、とか、
トイレに行ったら手を洗わんといかんのだな、などと、
体調を崩さないような知恵を学んだり、
常在菌に対する免疫を獲得していったと思うのです。

それは、駅も、市役所も、図書館も、病院すら同じで、
そんな場所が、そんなにキレイなはずはないでしょう。

……などというと、
コロナは治療法もないし、死者も出しているのだから仕方ないと言われます。
いや、それはその通りです。
基本再生産数が高くないので、感染力は弱めのウイルスだと思うのですが、
現時点でワクチンがない以上、封じ込める以外にできることはなく、
警戒するに越したことはないという点で、私も異論はありません。

しかし、そういう話ではありません。
「コロナの感染者が出ていなくても、校舎には入りたくない」というのは、
もはや、コロナに関するエビデンスに基づいた発言ではなく、
常在菌も含め、「なんか清潔じゃない場所、怖い」というイメージ、
恐怖心の問題です。
繰り返しますが、学校なんて、もともとキレイではなかったんですよ。
もっと言えば、この世にキレイな場所なんて、あるんですか。

仏教に、不浄観という観法があります。
自分あるいは異性の身体に対する執着を離れるための修行法の一つであり、
自他の身体が大小便や血や脂などの不浄に満ちていることを観想し、
たとえば、「あんなに美しい人でも、中身は大小便や血や脂で、一緒なのだ」と、
肉体に恋々としない境地をめざすものです。
やってみると意外と難しい観法ですが、
慣れれば、いろいろなことがどうでもよくなってきます。
つまり、SEXなどを想像するといいと思いますが、自分の身体を含め、
この世にキレイな場所なんてないんだということです。

もちろん、時代の変容に抵抗しようという話でもありません。
このところ、打ち合わせは zoom が主流になっていて、
その簡単さから、一日に何本も zoom の打ち合わせが設定されますし、
むしろ、コロナ感染が到来する以前よりも毎日が忙しくなっていますよね。
小学校でも、zoom を利用して授業を行っているところだってあるようです。
おそらく、アフターコロナも、会わずに打ち合わせることのできる zoom が、
世の中の趨勢となることでしょう。
便利になっていくことは、喜ばしいことです。

しかし、そういう話ではありません。
「菌が怖くて触れない」というのは、便利云々の話ではなく、
人間が弱くなったということです。
zoomのほうが便利だねということでオンライン化するのは正しいと思いますが、
不潔が怖くて学校に行けないという社会は、ただの弱体化だと思います。
そんなことでは、人間が常在菌にも負ける日も、やってきかねません。

学生時代、微生物学の教授が言っていた、
「こんな、生物かどうかも分からないようなものに、人類は負けない」という言葉を、
あらためて思い出します。

[SE;KICHI]
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