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キヨハラ!

暑い日が続いていますね。
朝は9時頃にはもう暑くなってしまい、困ったものですが、
夏の早朝というのは、5時前にはうっすらと東の空が明るくなるもので、
小鳥のさえずりやらセミの鳴き声やらが聞こえてきて、
すがすがしく、気持ちよく目覚めることができます。
昔の人もそう思ったようで、百人一首にも、
「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ」と、
夏の夜の明けるのが早すぎることを歌っている歌があります。

さて、みなさん、突然ですが、“キヨハラ”と言えば誰を想像しますか。

清原深養父https://kotobank.jp/word/%E6%B8%85%E5%8E%9F%E6%B7%B1%E9%A4%8A%E7%88%B6-53455

……はい、こういうのを思い浮かべたアナタ、正解です。
そうです、みなさんお察しのとおり、キヨハラと言えば清原深養父ですよね。

清原深養父……「きよはら の ふかやぶ」と読みます。
平安時代の歌人で、観念的な歌風で評価の高い歌人です。
冒頭の「夏の夜は……」も清原深養父の歌です。

この「“キヨハラ”と言えば……」という質問は当社ではわりと定番になっているので、
文学部出身の Okei さん(アメリカ文学専攻)、
専門外の日本文学は苦手だと言いながらも、
「ふかやぶ」という人物に関する話にはちょくちょく乗ってきます。
まぁ、しかし、もしかすると、漢字にすると読めないかもしれませんけど。

と、もちろんみんな知っていますよねという前提で書き始めましたが、
みなさん、ついてきていますでしょうか。
問題はココです。

もう5年も前、私の上司が特殊能力を持っている話を書きました。
彼は経験した光景を忘れないというサイボーグのような記憶力を持っていて、
密かに「妖怪記憶男」などと呼ばれているのですが、
どうも、彼は、自分の興味関心の有無にかかわらず、
人の顔や街の看板など、目に入ったものは機械的に記憶するようで、
突然、聞いたこともない店の名前などを言い出したりします。
もちろん、私を含め、部下たちにはそういう能力はないので、
「えっ、だって目に入るから」と言われてもついていけなくて困るわけですが、
彼にとっては、目に入ったものが記憶されていくことは普通のことで、
むしろ、そのように記憶されていかない私たちを不思議に感じ、
あまり記憶を再現できない部下たちに呆れているような感じなのです。
しかし、実は、こう見えて、私にも、局所的にそういう素養はあったりします。

冒頭の清原深養父。

古今和歌集にも17首が収載されていますし、
そちらに縁のない方でも、百人一首の36番といえば分かるでしょうか。
そして、私はこう思うのです。
百人一首に出てるんだから、全員、知ってるよね、と。

そうなのです。
私の脳は、人の顔や街の看板など、視覚的なものは記憶しないのですが、
学校で習ったことは知識として記憶できるタイプの脳であり、
私の上司が、目に入ったものが記憶されることは普通のことと思っているように、
私自身は、学校で習ったことを覚えていることは普通のことと思っているのです。
つまり、私は、自分の感覚に忠実に、
「百人一首は習ったはずだから、清原深養父を知らない人なんて、いないはず」と、
それなりに本気で思っていて、
日本文学は苦手だという Okei さんなどが「知らない」というのを、
「そんなはずはないよ。それは演技だろう」などと思っていました。

いや、そればかりか、私は、Okei さんが文学部出身と聞けば、
「文学に精通している人に違いない」と思ってしまい、
その分野に関する専門的な話を聞きたくてウズウズしてしまいます。
始末が悪いことに、
理系出身の自分が、いまだにラプラス変換の定義式を忘れていないので、
古今東西、“習ったけど、覚えていない”なんてことがあるとは思っておらず、
特に文系分野で、教えを乞いたくて根掘り葉掘り聞いてしまうのです。

いや、悪気はないんですよ。

それは、特定の学部を出た人に限りません。
仮に相手が高卒の方だったとしても、
教科書に登場したことは習得していると思っています。
たとえば、枕草子の第一段の、少なくとも春の部分「春はあけぼの~たなびきたる」とか、
平家物語の巻第一「祇園精舎の鐘の声~風の前の塵に同じ」とか、
徒然草の冒頭「つれづれなるままに~あやしうこそものぐるほしけれ」とか、
著名な古典の書き出しは学校で繰り返し暗唱しているはずですよね。
だとすれば、当時は試験用に覚えたのかもしれないけれど、
その時期に習ったということは間違いないんだから、
私の感覚では、いまだにみんな覚えているものだと信じているわけです。

その結果、百人一首を学校で習ったのであれば、
清原深養父についても知らぬはずはないだろう、
さぁ、清原深養父について語り合おうではないかと、そうなるのです。

しかし、このところ、遅ればせながら、Okei さんとの会話などから、
私の上司が尋常でない記憶力で周囲を困らせているのと同じように、
自分の、「え、徒然草の冒頭はみんな言えるよね?」も、
周囲を困惑させるのだなと、薄々気づき始めた私なのでした。

ところで、この“キヨハラ”と言えば……という質問、
清原深養父に続く2位は、
『なつぞら』で妹役を演じた清原果耶を僅差で抑え、
清原元輔でしょうか。
この人は清原深養父の孫にあたる人ですが、
清少納言の父親なので、もしかしたら祖父・深養父よりも有名かもしれません。
歌人としては……元輔は三十六歌仙にも選ばれているし……、
梨壺の五人のうちの一人なので……まぁ、いい歌人なんでしょうけど……、
私は……深養父のほうが優れていると思うのですが……。

みなさんどう思われますか。
元輔も百人一首の42番に収載されていますから、
知らない人はいないと思っているんですが……どうでしょうか 笑

[SE;KICHI]
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