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まさか牛車だったとは!

田舎に行くと、「山に馬の形が浮き出たら種まきの時季だ」など、
山肌の残雪が作り出す形を動物などに見立て、
農作業の目安にしているという話を聞くことがありますよね。
あれは“雪形”といって、
まぁ、本物の馬がいるわけではなく、単なる模様なのですが、
この、実在しないものをあるように思い描く、
対象を別の物になぞらえるという手法を『見立て』と言います。

古来、日本では、この見立てを暮らしに取り込むことが特に盛んで、
事実よりも、「そう見える」ことが大事な民族だと言われます。

たとえば、日本庭園の様式、枯山水。
白砂や小石が「水の流れ」に見立てられていることは有名ですが、
そもそも日本庭園という造園そのものが、
限られたスペースに配置された各要素を何かに見立てることによって、
雄大な自然の風景を表現しようとする試みですよね。

他にも、赤い隈取を施した人物を怒っている人物に見立てる歌舞伎とか、
扇子を持ってズルズル音を立てて蕎麦をすする人物に見立てる落語とか、
昔から、『見立て』という表現が日本には息づいています。

そうそう、有名な「みかけハこハゐが とんだいゝ人だ」の図も、広い意味では見立て。
裸のオヤジがたくさん集合しているだけの図ですが、
その集合体を人の顔に見立てているというわけです。
それから、その作者の歌川国芳といえば、「猫の當字」シリーズも有名ですね。
猫がもつれあっている図ですが、それで魚を表現しているわけで、
このように、ある物体のパーツに異質の物体を置き換えて構成していくという、
ひとつのデザイン手法ではありますが、見立てと言えるでしょう。

『みかけハこハゐが とんだいゝ人だ』 「猫の當字」なまず
https://www.musey.net/122 
https://i0.wp.com/artmatome.com/wp-content/uploads/2016/03/1b272f15.jpg


また、そこまで古い話ではなくても、
昨年の今頃やっていた朝ドラ『半分、青い。』でも、
オープニング映像のデザインでは見立てが目白押しでした。

「お皿がケーキ」「目玉焼きがニワトリ」「プチトマトがテントウムシ」
https://shuhu-tamago.hatenablog.com/entry/2018/04/17/125056

これらは、結局、『見立て』です。
重ねたお皿がケーキに見えるよねとか、
崩れた目玉焼きってニワトリのトサカっぽいよねとか、
プチトマトってテントウムシみたいでカワイイ……みたいなことです。
要するに、それは皿だし目玉焼きだしプチトマトなんだけど、
○○みたいに見えるよねという、視点の変化が『見立て』なのです。

さて、ここまで見立ての例を挙げてきましたが、どうでしょうか。
そう見えるから、それを見て面白がるのだというのが見立ての基本。
そういうのは、ほとんどダジャレみたいな感じもするのですが、
古今東西、こういうのが根付いているのをみると、
日本人は、こういう遊びが好きなんだなと思います。

ところで、急に話は変わりますが、
前方後円墳ってなんだか不思議ではないですか。

「百舌鳥・古市古墳群」がユネスコ世界遺産委員会で世界遺産に登録されましたね。
かの有名な大仙陵古墳(仁徳天皇陵)とか誉田御廟山古墳(応神天皇陵)とか、
百舌鳥や古市の古墳群が世界遺産に登録されたわけですが、
それらを構成している古墳群のうち、1/3ほどが前方後円墳です。
というか、各天皇陵は、陪冢を除けば、メインはほとんど前方後円墳です。

前方後円墳、みなさん覚えていますか。

古墳の種類 http://www.mai-ca.net/special/032/index.php

私は、昔から、前方後円墳ってなんだか不思議だなと思ってきました。
だって、だいたい、教科書に書かれている古墳の図って、
前方後円墳は、鍵穴みたいな形の、丸いほうを上にして描かれています。
これだと、見た感じのイメージ的に、「前円後方墳」のような感じがするのですが、
どうして「前方後円墳」という呼び方なんでしょうか。

私はこのことを長年疑問に思ってきましたが、
このたび、世界遺産登録のタイミングで教えてくださる方がいて、膝を打ちました。

 まず、古墳全体を牛車に見立てるでしょ?
 それで、被葬者が埋葬されている円部を人が乗る部分に見立てたのよ。
 そしたら、方部は牛車を牽く牛ってことになるでしょ?
 だから方部が前で円部が後ろなのよ
……と。

はぁぁぁぁ!
前円後方墳ってネーミング、見立てだったのかぁ!

まさか、牛車だったとは!

いや、長々と見立ての例を挙げてきましたが、
この前円後方墳のネーミングを知った感動を伝えたかった次第です。

……私のこの感動と興奮、伝わっていますでしょうか。

[SE;KICHI]
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