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予祝

“あえのこと”というのをご存知でしょうか。
毎年12月5日、一年の豊穣に感謝し、
収穫を終えた田んぼから「田んぼの神様」を自宅に迎え、
翌春の2月9日まで、
見えない神様を、あたかも人間のように入浴と食事でもてなし、
長く厳しい冬を家族と一緒に過ごすという、奥能登の民俗行事です。

あえのこと
https://food-japon.com/p/news/aenokoto-gourokuan

さて、昨年11月、
男鹿のナマハゲなど10件が、『来訪神;仮面・仮装の神々』ということで、
ユネスコの無形文化遺産に認定されました。

ナマハゲ
https://forbesjapan.com/articles/detail/24195#

ナマハゲから連想すると、鬼のような異形の者が襲ってくるイメージが浮かびますが、
儀式として注目すべきなのはそこではなく、
大事なのは、年に一度、決まった時期に人間界に来訪するとされているところです。
そういう意味では、“あえのこと”も、異形ではないものの、れっきとした来訪神で、
2009年にはとっくに世界無形遺産に登録されていました。

そもそも、日本人というのは、
「普段はいない神様が特定の時季にだけやってくる」という考え方が好きです。
ユネスコの無形文化遺産という“肩書き”がついたので、
来訪神に、やや堅苦しいイメージがついてしまった感がありますが、
本来、日本人にとって、来訪神というのは馴染み深い存在でしょう。

だって、たとえばお正月。
「数え年」というのがありますが、あれは、
元日にお出ましいただく神様から1年を授かるという考え方から来ているもので、
いわば、日本人全員の誕生日を元旦に設定するという感じのもの。
年に一度の儀式ということですから、これも来訪神と言えるでしょう。

そうそう、お正月といえば、みなさん、
玄関に門松を飾って注連縄を張りましたでしょうか。
あれは、神様をお迎えする準備だと言われています。
門松は、来訪する神様に「この家ですよ」とお知らせする看板みたいなもの、
注連縄はそのエリアが不浄でないように結界を張るセコムみたいなものです。
つまり、来訪する年神様に備えて飾っているわけです。

何が言いたいかというと、
何のためにそれをやるのかを考えることが大事ということです。
最近では、門松や注連縄を完備している家は少なくなりましたが、
門松や注連縄を飾らない家でも、鏡餅は置くかもしれません。
最近では中に砂糖が詰めてあるプラスチックの鏡餅なんてのも売ってますが、
鏡餅は神様の大好物で、それ自体が依り代にもなる……というわけで、
それを知ったら、砂糖で代用なんてダメですよね。

そもそも、新年を祝う理由を考えたことがあるでしょうか。
お正月がめでたいのは、新しい年が明けたから……ではありません。
お正月がめでたいのは、日本古来の予祝という考え方によるからです。
予祝……あらかじめ祝う……前祝いです。
何の前祝いかって、古代日本人の一番の願いは秋の豊作です。
稲がたわわに実って、お米がどっさりとれることが大事ですから、
その願いの実現を引き寄せるために、
お正月に、その一年の五穀豊穣の前祝いをしているわけです。

春先の“お花見”も、
時節柄、たまたま桜がきれいに咲いていたから眺める……のではありません。
そんな、風流というか感性的な話ではなくて、
秋の豊作に感謝する“祭り”の一種だと言われています。
これも、日本古来の予祝という考え方によるからです。
春に満開に咲く桜を、秋のお米の実りに見立て、
仲間とワイワイお酒を飲みながら喜び、お祝いすることで、
本願である秋の豊作を引き寄せるというわけです。

夏の盆踊りも、夜が暑くて眠れないから踊る……のではありません。
あれも、予祝、秋の豊作を喜ぶ踊りです。

このように、もともと日本人は、
すでに叶ったという気分でお祝いするのが習慣づいている民族です。
先に喜び、先に祝うことで、その現実を引き寄せるというのが、
古代日本人がやっていた、夢の引き寄せの法則なのです。
あらかじめ叶ったという気分になっておけば、
「あぁ、めでたい。神様、ありがたいなぁ。ご恩返ししなくちゃなぁ」と、
感謝の気持ちも高まろうというもの。
結果、一種の自己催眠もあって、現実が追い付いてくることでしょう。
日本という国は、それを個人ではなく、国家全体でやっている国で、
そりゃあ、感謝・報恩の文化が育まれるはずです。

ちなみに、予祝の本質は、いま、喜ぶこと。
いまの喜びは、未来の喜びになるわけです。

さぁ、みなさん。
1年分の大繁栄を祝おうではありませんか。

[SE;KICHI]
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No title

なるほど。
そのような祭りは知りませんでした。
お花見も、ただお酒を飲んでバカ騒ぎをするイベントのように思っていましたが、そういう意味があったのですね。
日本って素敵ですね
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