FC2ブログ

遠離一切顛倒夢想

林修先生が、「無常」の対義語は「常住」だと言っていました。
これは法華経や涅槃経に出てくる言葉で、完全な仏教用語です。
どこかの試験問題らしいのですが、すごい問題ですね。

常住というのは、永遠不変なこと、変化しないで常に存在することです。
仏教的価値観に照らせば、実際には、そのようなものは、世に存在しません。

仏教には、『四顛倒』という迷いの世界があります。

曰く、人間の外見に価値を見出していないか、
自分の外見を磨くことに熱中していないか。(→「浄」)
曰く、五感による感覚作用を重視していないか、
見ることや聞くこと、味わうことを重要視していないか。(→「楽」)
曰く、心の動きは変化しないものだと思っていないか、
愛する2人の関係など、人間関係が永遠だなどと誤解していないか。(→「常」)
曰く、自分の存在や財産は永遠だなどと思っていないか、
両親や自分の肉体でさえ変転しないと思っていないか。(→「我」)

つまり、これらは、この世で自分に起こってくる感覚を重要視する立場で、
仏教ではそれを野蛮な錯覚であると戒めており、
こういう倒錯した考え方に人間の苦しみが発生すると説いています。

最近は、犬猫のような生き方が流行っているのか、
「喜怒哀楽があってこその人間だ」とばかりに、
感情をストレートに吐露することを善きことともてはやす風潮があるようです。
人間関係でも相手の対応が満足なものでなければ「ムカつくっ」と口に出します。
これは仏教でいうところの、野蛮な錯覚です。
人間的というより、動物的な感覚ですね。

古来、日本人は、他人のことをとやかくは言わないものでした。
いろんな人がいるよねという寛容さがありました。

私は、たまに靖国神社へ参拝に出かけます。
遊就館で、有名無名の英霊の事績に触れ、
この国の今日が多くの方のおかげで成り立っていることを考えるとき、
自然と敬虔なというか、謙虚な気持ちが湧き上がってきます。
戦後の焼け野原や食糧不足を乗り越えて復興したこと。
男女問わず広く高等教育を受けられるようになったこと。
商業も発展して、世の中には仕事があり、経済が成長してきたこと。
国民皆保険で医療制度も充実してきたこと。
こういうことの礎になった方がいたからこそ、今日の日本があるわけで、
やや国粋的に聞こえるかもしれませんが、感謝の気持ちが強くなります。

いま、日本は、自分と違う価値観の人が現れると「ムカつくっ」と感情を露わにし、
攻撃し始めるという、なんか動物みたいな感じの国になってしまっています。
だいたい、怒りの気持ちというものは、
日常の些細な誰かからの言動などに起因するものですが、
それを力いっぱい外に放出することは、
仏教でいうところの、肉体・感覚・喜怒哀楽に振り回されている状態でしょう。

心とは無常なものです。
つまり、自分自身にのみ適用される、極めて自己本位なものです。
そういう自己本位な肉体や感覚に起因する心の動きを一旦押しとどめ、
湧いてきた喜怒哀楽をサラリと抑えるのが成熟した日本人のように思います。

自分の感情が何よりも正しく、
普遍的なものであるとは思わないことです。


そういうことって、練習しないとできるようにはなりません。
最近では(といってももう40年くらいは経っていますが)
アンガーマネジメントという、
アンガー(イライラ・怒り)をマネジメントするための心理教育が流行っていますが、
そういうものが流行るのも、
そうやって意図的にマネジメントしなければ、心は野生化してしまうということですよね。

このブログでは、過去に、坐禅を勧めたりヨガを勧めたり
怒り多い人に向けて数息観を勧めたりしてきました。

“坐禅”と聞くと、
「無念無想になることだ」という先入観を持っている人が多いようで、
「坐禅をしてもどうしても無念無想になれません」というような人もいます。
どうしても雑念が起きてしまうというわけですが、
無念無想というのは「何の念も想もないこと」ではありません。

念が起きるのは生きている証拠。
それはそれでいいのです。
雑念が起こるからといって、その「念」を払おうとすれば、
その「払おう」というのがまた一つの「念」となり、念がやむことはありません。
つまり、「念」などいくら起こっても構うことなく、
一切取り合わず相手にしないのが、正しい無念無想です。
それなら誰にだってできるでしょう。

起こってくる感情を忠実に表現しないことです。
それは感情に支配されている状態です。


仏教には、『四念処』といって、
「身念処・・・身体は不浄であると観察する。」
「受念処・・・感受するもの(五感)は苦を生むと観察する。」
「心念処・・・心(喜怒哀楽)は無常であると観察する。」
「法念処・・・法(自分の存在)は実体がないと観察する。」
という、迷いの世界からの脱出法も説かれています。
感情に支配されず、冷静に実態を観察することが大事なのです。

結局、肉体や感覚、喜怒哀楽に振り回されるなということです。

[SE;KICHI]
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

kkseishin

Author:kkseishin
株式会社セイシン
私たちは工場設備機器を中心に、お客様にご提案・販売をしている総合商社です。

■富山本社/〒930-0821
富山県富山市飯野16番地の5
TEL:(076)451-0541
FAX:(076)451-0543

■新潟営業所/
〒950-1142
新潟県新潟市江南区楚川甲619番地6号
TEL:(025)283-5311
FAX:(025)283-7469



URL:http://www.kk-seishin.com/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR