安かろう悪かろう、か。

子供の教育に費用が掛かるので、
つまり、生活を考えたら子供なんて産んでいられないということで、
日本は果てしなく少子化が進んでいるという状況だそうです。

安倍首相なんかは、
幼児教育を無償化すればもっと子供を産むだろうと思っているようですが、
それはどうなんでしょうか。
前回は大学の無償化について触れましたが、
幼児教育も無償化すれば、日本はよくなるのでしょうか。

私は、本音を言うと、もっといろいろ選択肢があればそれでよいと思うのです。
一時期、教育勅語を暗唱させている幼稚園について賛否両論が出ましたが、
私は、もちろん、そのような幼稚園があっても良いと思うし、
そうでない幼稚園もあってよいと思うのです。
ヨコミネ式しかり、七田式しかり、同じことです。
そういう、いわゆる高級な幼稚園や保育園があったっていいし、
安いところがあってもいいし、タダのところがあってもいいと思うのです。

資本主義社会なのですから、
お金がある家庭はお金を払って、高額な幼稚園に行けばいいのです。
これは小学校以上の教育にも言えることですが、
お金のある方は、高額で高度な教育をお受けになればいいと思うのです。
やっかんではいけません、
国家財政を考えても、そういう家庭が存在することはありがたいことです。
そういう家庭の納税で国が回っているのですから。
一方、経済規模が標準程度かそれ以下の家庭であれば、
月謝が安ければ安いに越したことはないでしょうし、
「タダにしてくれないと子供なんて産めない」という家庭にとっては、
無償で預かってくれる幼稚園・保育園も必要でしょう。

何が言いたいのか分かりますでしょうか。
選べるようにしてくれれば、それでよいという話です。
政府は幼児教育をタダにすればもっともっと子供が増えると思っているようですが、
そんなわけないだろう。
普通の感覚では、子供を幼稚園に預けようとするとき、
まずは教育勅語等に代表される教育方針など、
その学校の運営方針が自分の家庭にあっているか、
そういうことを検討したうえで、自宅からの距離や費用等を勘案し、
各家庭で選び、決めればよいと思うし、そうしていると思うのです。
タダでさえあれば、
たとえば昨年あったような給食が貧しい幼稚園でもいいかと言われれば、
それは、たぶん多くの親御さんが、タダでもイヤだと思うのです。

なんか、こう、いろいろ無償化すればみんな喜ぶみたいな論調が流行ってますが、
現状のすべての子育て世帯が、
「タダにしてくれないと子供を産めない」なんて言っているわけではないし、
全施設をタダにしろなんて言っているわけではないと思うのです。

高校もタダという流れになってきていますが、
考えてみれば、学校教育が充実していれば塾なんて行く必要はないのに、
現状では、大学へ進学するためには学校教育だけでは充分ではなく、
みんな、学校教育よりもはるかに高いお金を払って塾に通っているわけです。
つまり、今後、せっかく高校をタダにしても塾通いの費用がかさむという、
ワケの分からないことになる可能性はあります。

結局、親の金銭的負担は増し、
子供はダブルスクールで疲れるということになります。
それで、いったい誰が幸せなのかという話です。
ダブルスクールなんて、学校へ通いながら夜勤で働くようなものでしょう。
そんな戦後すぐみたいな教育事情で良いはずがありません。
疲弊した子供たちは、「せめて学校に行っている間は眠ろう」と、
授業中にうたた寝をしたり、保健室で休んだりするかもしれません。

いいかげん、国には、
タダならみんな喜ぶよね~という感覚を捨ててほしいのです。
もちろん、均一の水準であれば、安いほうがありがたいのは事実です。
たとえば、100円ショップで売っているような雑貨であれば、
300円で売っても売れることはないでしょう。
それは、その商品には100円の価値しかないからです。
逆に言えば、300円分の価値があれば、
つまり、300円払っても惜しくないとみんなが思うような商品であれば、
300円でも売れるはずなのです。

教育は、それとは違います。
教育とは、もともとレベルにピンからキリまであるものであり、
そのクオリティは均一ではないわけですから、
教育レベルや環境が付加価値ということになります。
選ぶ側はどこに価値を見出すかは自由なので、
必ずしも、タダなら良いということにはならないはずです。

結局、内容がよければ、人々は優先度を変えて自分のお金を使うのです。
「くだらぬものには一銭も出したくない」のは当然のことですが、
その延長線上に、
「くだらぬものはタダでもいらぬ」という感覚もあると思うのです。
やはり、いくら公立がタダであり、私立はお金がかかったにしても、
その教育が良いものであるならば、私立に通わせたくなるのが親心でしょう。
もちろん、各家庭には各家庭の経済力というものがありますから、
そのへんのファクターはあるとは思いますが、
基本的には、各家庭で用意できる範囲の最良を子に与えたいと思うもの。

国には、タダならみんな喜ぶよねという、
資本主義を無視した感覚を捨ててほしいものです。

[SE;KICHI]
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