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性に目覚めるころ

新年度早々、
ちょっとエキセントリックなタイトルをつけてしまいましたね。

先日、第1回室生犀星文学賞が発表になりました。

受賞作は南綾子さんという72歳の主婦の方が書いた「二日月」。

神楽坂の古い料亭の女将をしている日名子のもとに、
突然、北陸の高校からクラス会の通知が届きます。
クラス会のために北陸に向かう日名子は、
長く封印してきた北陸での様々なことを思い出します。
ところが、その思い出をたどろうとすると・・・というお話です。

古い寺に住む友人とその弟「渓真」との淡い恋愛、
性に未成熟であったがゆえの残虐性など、
その過去の部分の描写が簡潔かつ鮮明で、印象的です。

「性」と「死」がテーマになっているので、
私は最初、作風がなんとなく坂東眞砂子に似ていると思ったのですが、
坂東眞砂子ほど土俗的なところはなく、
読後感もさっぱりしている感じです。

坂東眞砂子よりも、もっと何かに似ているなぁと思っていたのですが、
それが、室生犀星の自伝的小説「性に目覚めるころ」
まぁ、室生犀星文学賞なんだから、
そりゃ室生犀星に似ていて当たり前ですね。

「性に目覚めるころ」には、
美しい賽銭ドロボウの話が描かれていて、ゾクリとさせられます。
主人公の住む寺に毎日のように参拝にくる美しい娘が
たくみに賽銭を盗むのですが、
17歳の主人公は、記帳場の節穴からその様子を覗き見していて、
性的興奮を覚えるという描写です。
そして主人公は、娘の家をひそかに訪ね、
玄関に忍び込んで娘の片方の雪駄を盗み、
懐にねじ込んで、一散に駆けて、寺に持ち帰ります。

今で言うとストーカーなんでしょうが、
なんというか、主人公の胸のドキドキが伝わってくるような
……これぞ文学。

思い返してみれば、
青春って、スクールウォーズみたいな爽やかな面もあるんでしょうが、
そんな爽やかさばっかりじゃなくて、
暗くやましいところもいっぱいだったと思うのです。

「二日月」を読んだ直後だったせいか、
最近、新生活を迎える学生さんたちの姿を見ながら、
青春について思いをはせた私なのでした。

室生犀星文学賞は、犀星が没後50年を迎えるのを機に創設され、
国内だけでなく、
米国やフランスなどから925編の応募があったそうです。
「二日月」は出版されてはいませんが、
機会があったらお読みになってみてくださいね。

この時期、花粉症で外に出られない方々には文学をお勧めします。

[SE;KICHI]
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