いつもと違い、少し真面目な話です。
私の住む富山県では、フードバンク
注 を浸透させ、
それらを積極的に進める活動があり、それを行う人々の新聞記事を見つけました。
そうしたフードバンクに、
家庭などの小単位規模で余っている食品を持ち寄って寄付する活動を、
フードドライブというらしいです。
注) 食品企業等の製造工程で発生する規格外品などを引き取り、福祉施設等へ無料で提供する団体・活動フードドライブは不要な食品を、子ども食堂などに寄付する活動ですが、
近年の県内での活動の浸透で、
受け入れ先のフードバンクの食品取扱量が増えているとのこと。
なんでも、箇所によっては始めた当初より3倍の数値となっており、
それに伴う回収、配送の為の人手、資金が許容範囲を超えつつあり、
関係者は「更なる幅広い支援が必要」と訴えています。
フードドライブは食品ロス削減につながることから、
近年様々な団体やイベントで取り組まれるようになっています。
例えば、富山市の山室地区社会福祉協議会が、
2022年11月5日に住民から集めた食品は600点に上るとのこと。
また、県として先月、市内の体育館で開催された「富山マラソン」の前夜祭において、
ブースを設け、218点の食品が集まったそうです。
この理由について、一活動団体の責任者さんは、
「SDGsの一環として取り組みやすいことが要因ではないか」と説明しておられます。
確かに、これは一番身近な環境について取り組みやすい活動かもしれません。
https://otakara-aid.com/%E6%89%80%E4%BF%A1%E8%A1%A8%E6%98%8E%EF%BC%9Anpo%E6%B3%95%E4%BA%BA%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%81%A8%E3%82%84%E3%81%BE/?fbclid=IwAR3wSuGTFZ2TadMNKivdkWaNIXq0YEqR387O0wRxZGD-C57plZ2_fGuvMQcそのような食品を受け入れるフードバンクの取扱量も増加していまして、
NPO法人「フードバンクとやま」の場合、2009年設立時は100kgであったのに対し、
2019年は10t、2021年は30tとかなり大幅に増加しているそうです。
また、砺波市にあるNPO法人「もったいないフードバンクとなみ」においても同様で、
2021年9月~2022年3月までは約800kgだったの対し、
2022年4月~2022年10月までに2tと、なんと2.5倍に急増しています。
すごいですね!ものすごい増えています。
コロナ禍も関係しているのでしょうか。
このように提供量が大幅に増えたことにより、
次は人手や活動資金が不足するという事態に陥っているそう。
また、よく聞くフードマイレージ
注 の観点からも、
人手や輸送力を上げれば、
自動車などの輸送エネルギー増加に伴いCO₂も多くなります。
SDGs、食品ロス削減の活動として、また“もったいない精神”から続けられているこの活動が、
逆に地球温暖化への影響を与えてしまうジレンマも抱えてしまうように思えてなりません。
ちなみに「フードバンクとやま」のスタッフは全員がボランティアで、
マイカーを使って提供される食品を農家に引き取りに行ったり、
それらを福祉施設に届けていたりするそうです。
食品取扱量が増えたことにより、
フードバンクとやまの理事長は「記録や衛生管理の業務も増え、
受け入れ体制が追い付かない。」と漏らしています。
一方で、「フードバンクとなみ」は先月より会費1万円の賛助金を募集する文書を配布し、
現在46の企業や団体、個人が登録しているそうです。
となみの嶋村理事長は「生活に困っている人に休日は無いので、
我々が休むわけにはいかない。
ただ、遠い場所に食品を取りに行く費用もかかる。
行政や企業の支えがかかせない。」と。
注) 食品が消費者に届けられるまでにどれだけのエネルギーが使用されるか示す指標
http://foodbank-toyama.com/現状の問題としては、人手不足と資金不足が新聞記事で挙げられていますが、
それに加えて
知名度不足も要因と考えます。
恥ずかしい話ですが、フードバンクについて、
知人のボランティアの取り組みから伺っていたものの、
フードドライブの問題については、この記事を見て初めて知ることとなりました。
数量が増えてきた=参加する者が増えてきたということではあるのでしょうが、
受け取る側以上に、私のような差し出す側の知名度が未だに低い。
このような活動がさらに広く知られることになれば、
受け入れる側の人手も増えていくと考えられますが、
今度はフードバンクにも負担が増える。
知名度を上げる為には、その為の活動
(広告やSNS発信)を行うことも必要かと思いますが、
なるべく資金や環境に負担の少ない方法で広げていくことも求められるかと。
また、無駄をなくし、より良い環境の為に始めたこの活動が、
人的負担のみならず、
CO₂の排出を増やすというジレンマが発生していると触れましたが、
こちらも難問でしょう。
富山県では、都市圏と違い公共交通網が発達していないので、
自家用車を使用しないと移動がままならないです。
一人当たり1.694台と、マイカー所有率が全国1位であるのがその証拠です。
その時点で「
それだけ所持しているだけで環境破壊だ!」と、
批判の声が聞こえてきそうだが、
先述の所有率から見ても、それほどまでに富山では重要なツールなのです。
話を戻すと、こういった状況から、
仮に知名度が上がって活動に参加する人が増えても、
同じだけ自動車も動くことになります。
さすがに多くの人が一斉に動くわけではありませんが、
それでも輸送量が増えれば、長い期間で見れば増えることになるのです。
だからといって活動を止める理由にはいきませんが、
そうした側面があることも、広い視野で考えた場合、
対策を練る必要が今後出てくるかと思います。
例えば1台での輸送量を増やし
(自家用車からトラック等に変更)、ある地点に分布集約して、
そこから温室効果を発生しない方法
(自転車や徒歩、自家用車での別事由の物との混載等)で配達するなど、
やり方は地域によって変わりますが、様々考えられると思います。
今回の記事を読んで、私は食べ残しをしないなど、
それなりに食品ロスに取り組んでいる気でいました。しかし、まだできることがありそうですね。
環境への取り組みを考える機会が出来ました。
[K.K]