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サイアーライン

さあ、ナシの季節になりましたね。

ナシ園

遅い、ですかね。


ナシといえば、「幸水」でしょうか。

幸水は、8月中旬から収穫される早生種で、
果肉が柔らかく果汁も多いという特徴を持っているためか人気で、
和ナシ生産の34%を占める、最も生産量の多い品種だそうです。
富山ではこの幸水の栽培が盛んで、
8月中旬くらいから、こればっかり出回るのですが、
どうも私は柔らか過ぎてあまり好みではなく、
夏の終わりのナシには食指は動きません。
というわけで、9月下旬以降が、ナシにおける私のハイシーズンなのです。

この幸水、園芸試験場が1941年に「菊水」に「早生幸蔵」を掛け合わせて作り、
1959年に命名・発表されたものだそうです。
つまり、“両親”が「早生蔵」と「菊」ということで、
幸水は両親から一字ずつもらって命名されたというわけです。

こうなってくると、幸水そのもには興味ないくせに、
ルーツに関心を持ちやすい私としては、急に興味が出てきます。
(タイトルの『サイアーライン』というのは競馬用語で、家系図とか血統の意味です。)

母にあたる菊水は昭和2年に命名された品種で、親は「二十世紀」と「太白」。
つまり、二十世紀と太白が幸水の祖父母にあたるというわけです。
さっそく菊水を九州から取り寄せてみましたが、
なるほど、菊水の色は幸水とは全然違っていて、二十世紀ゆずりの黄緑色。
食味は、肉質はやや粗めでしたが、酸味も適度にあって濃厚な味でした。
正直なところ、元の品種に何らかの問題があるから、
わざわざ掛け合わせて新品種を誕生させているわけですから、
実は味には期待していなかったのですが、予想以上においしくて驚きました。

さて、父にあたる早生幸蔵なのですが、こちらは存命でないというか……。
おそらく、幸水の親としてのワンミッションの人生だったのでしょう、
探しても栽培している方を見つけることはできませんでした。

さて、生産量で幸水と双璧をなす品種といえば「豊水」でしょうか。
果汁をたっぷり含んだジューシーな品種で、
甘味が強いながらも、やさしい酸味があって、
ナシらしいシャリシャリとした食感と甘さが楽しめます。

血統上、豊水は幸水の子にあたります。
幸水のほうがメスで、母親にあたるのですが、
父親にあたるのは「イ‐33号」という、名前すらもらっていないナシです。
当然、栽培している方を見つけることはできませんが、
この イ‐33号 の父親はまたしても二十世紀なので、
まぁ、あんな感じかと想像することにしましょう。
ちなみに、イ‐33号 の母親は「石井早生」という、人間ぽい名前のナシなのですが、
その父親も二十世紀です。
つまり、イ‐33号 は“母方の祖父が娘に産ませた子”という、
金田一耕助シリーズならひと悶着ありそうな生い立ちです。
というか、白河天皇と崇徳天皇の・・・・・・また今度にしますね。

しかし、豊水の母・幸水の祖父も二十世紀ですから、
二十世紀、どんだけ絶倫なんだという感じですね。

なお、富山では豊水の次に出てくるのが「新高」で、
西日本なんかでは“ナシといえば新高”という地区もあるようです。
これも、昭和2年に命名されたということなので、菊水世代。
親は新潟県の「天の川」と高知県の「今村秋」と言われていて、
新潟と高知から1文字ずつとって新高と名付けられたとされていますが、
私は、果肉の硬さなどが似ているので、
母は天の川だとしても、父は「長十郎」ではないかと疑っています。

まぁ、私は新高には少しも興味はないのですが、
この新高を母として、豊水を掛け合わせて生まれたのが 162-29号。
そして、この無名のナシを母として幸水を掛け合わせたのが、
マイフェイバリット・ナシの、「あきづき」です。
(豊水の父もあきづきの父も幸水なので、あきづきは絶倫ひいじいちゃんの子ってことにはなりますが)

あきづきは、父が幸水、母方の祖父母が豊水と新高という、
主要品種3つの掛け合わせですから、優れた特性を受け継いでいます。
果肉は柔らかいのに緻密で糖度が高いのは幸水ゆずり、
果汁も豊富でありながら酸味も少なめでシャリシャリとした食感です。
9月下旬から出回る品種です。
みなさんもいかがでしょうか。

ところで、母方の祖父母である豊水・新高は、
162-29号以外にももう一子もうけておりまして、
それが、秋から冬にかけて日光などに泊まりに行くと、
朝食のデザートで登場したりする「にっこり」です。
“日光”の“梨(り)”ということでにっこりという名前になりました。
大玉ですが大味ではなく、糖度が高めで果汁も豊富です。
これは10月下旬から出てきて、年始くらいまで食べられます。

ということで、ナシは幸水だけじゃないぞと、
それを言いたかったわけですが、
よくよく見てみると、ナシの世界って、
私が好きな近親相姦にまみれたあの時代に似た面白さがあります。
そういうことを思いながらナシを食べるというのもまた一興と思うのですが、
どうでしょうか。

[SE;KICHI]
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