怖い顔の秘密 ~魅惑の・・・(番外編)
現存する日本最古の仏像といえば飛鳥大仏ですよね。
609年ごろの完成ということですから、今年で1410歳。

http://pippi-papa-from2008.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-3405.html
この飛鳥大仏、奈良・明日香村の飛鳥寺というところにいらっしゃるのですが、
写真が教科書などにもよく掲載されているので、
行ったことはなくとも、お顔を知っている方も多いことでしょう。
私も、教科書だったか資料集だったかの写真を見て、その顔貌の怖さになかなか足が向かず、
また、他に会いたい仏像がたくさんあったためについつい後回しとなり、
御朱印帖の記録によれば、ようやく訪れたのが平成13年。

私、昭和60年ごろから御朱印を集めているので、
平成13年といえばデビューから15年後ということになります。
飛鳥大仏、日本最古というビッグネームでありながら、
ずいぶん、ないがしろにされてきた感じですね、私から。
さて、日本最古の仏像である飛鳥大仏ですが、
国宝ではありません。
ちなみに、「国宝」という指定自体は明治期からもあったのですが、
戦後、1950年に文化財保護法が施行されたことにより、
それまでに指定された国宝を、すべて一旦「重要文化財」に改称したうえで、
そのなかから、特に価値の高いものを、改めて国宝として選びなおしました。
飛鳥大仏は旧国宝には指定されていたのですが、
いったん重要文化財になった後の指定からは漏れてしまい、
いまだに重要文化財にとどまっているというわけです。
飛鳥大仏が国宝指定から漏れたのは何故でしょうか。
これは私が小学生の時分に知った知識ですが、
永年の歴史のなかで、この飛鳥大仏は、後世の補修箇所が多くなっていて、
確か、最初に作られた7世紀当初の部分は、
目の周りと右手中央の指3本くらいしか残っていないという話でした。
そういえば、お顔にはブラックジャックのような継ぎ目がありますね、
ここで接合しましたよ、手術の傷跡ですよ、的な。
つまり、私が小学生だったころの通説は、
ほとんどオリジナルではないから国宝にはなれませんと、そういうことでしたが、
ここ1~2年の研究で、顔面の金属成分に偏りがないことが分かってきたそうです。
それは、すなわち、お顔は均一だということであり、
オリジナルであることが確認されている目の周りとも成分的に均一であることは、
顔が全体的にオリジナルであるということにほかなりません。
ブラックジャックの手術痕のような継ぎ目は単なる稚拙な技術の結果であり、
おそらく、鋳造時にできた穴などを埋めた跡ではないかとのことです。
これは旧来の通説が覆ることで、なかなかエキサイティングです。
そればかりか顔と胴体の金属組成はかなり似ていたとのこと。
合致ではないことから、顔と胴体が同時期の造像ではないと思われますが、
似ているというのはどういうことなんでしょうか。
これは私が勝手に思っているのですが、
震災や戦乱で胴体が破損した際に、壊れた素材をかき集め、
それを再利用する形で新しい胴体を改鋳したのではないでしょうか。
それだと、組成が似ていて、かつ同一でないという結果に説明がつくと思うのですが、
さて、どうでしょうか。
ともあれ、飛鳥大仏の頭部がほぼオリジナルであると分かった意義は大きいでしょう。
興福寺にある旧山田寺仏頭のように、頭部だけで国宝指定されている例もありますから、
この飛鳥大仏の頭部がオリジナルであると分かったということは、
突如、国宝指定に向けた障害がなくなったということに他なりません。
それに、だって、今年で1410歳なんですよ。
その顔の皮膚(というかそれを形成している金属ね)は1410年モノってことですよ。
人間の世界では、たかだか40年か50年で、
やれ“ドモホルンリンクル”だ、やれ“50の恵”だと騒がしいですが、
なんと言っても、1410年前からの顔なんですよ、飛鳥大仏。
ひゃああああ、もう想像を絶するロマンですよね。
いつもなら、最後に、オススメを・・・・・・となるところなのですが、
今回は飛鳥寺限定の話であるうえ、飛鳥寺にはホームページがないんですよ。
でも、明日香村は以前にも紹介した如意輪観音の優品のある橘寺や、
日本三大仏像のひとつに挙げられる西国第七番札所の岡寺など、
観るべきお寺が多いエリアですので、村全体がおすすめです。
一生に一度くらいは
見ておいて損はないと思いますよ。
というより、1410歳ですからね、見とかないと損ですよ。
[SE;KICHI]
609年ごろの完成ということですから、今年で1410歳。

http://pippi-papa-from2008.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-3405.html
この飛鳥大仏、奈良・明日香村の飛鳥寺というところにいらっしゃるのですが、
写真が教科書などにもよく掲載されているので、
行ったことはなくとも、お顔を知っている方も多いことでしょう。
私も、教科書だったか資料集だったかの写真を見て、その顔貌の怖さになかなか足が向かず、
また、他に会いたい仏像がたくさんあったためについつい後回しとなり、
御朱印帖の記録によれば、ようやく訪れたのが平成13年。

私、昭和60年ごろから御朱印を集めているので、
平成13年といえばデビューから15年後ということになります。
飛鳥大仏、日本最古というビッグネームでありながら、
ずいぶん、ないがしろにされてきた感じですね、私から。
さて、日本最古の仏像である飛鳥大仏ですが、
国宝ではありません。
ちなみに、「国宝」という指定自体は明治期からもあったのですが、
戦後、1950年に文化財保護法が施行されたことにより、
それまでに指定された国宝を、すべて一旦「重要文化財」に改称したうえで、
そのなかから、特に価値の高いものを、改めて国宝として選びなおしました。
飛鳥大仏は旧国宝には指定されていたのですが、
いったん重要文化財になった後の指定からは漏れてしまい、
いまだに重要文化財にとどまっているというわけです。
飛鳥大仏が国宝指定から漏れたのは何故でしょうか。
これは私が小学生の時分に知った知識ですが、
永年の歴史のなかで、この飛鳥大仏は、後世の補修箇所が多くなっていて、
確か、最初に作られた7世紀当初の部分は、
目の周りと右手中央の指3本くらいしか残っていないという話でした。
そういえば、お顔にはブラックジャックのような継ぎ目がありますね、
ここで接合しましたよ、手術の傷跡ですよ、的な。
つまり、私が小学生だったころの通説は、
ほとんどオリジナルではないから国宝にはなれませんと、そういうことでしたが、
ここ1~2年の研究で、顔面の金属成分に偏りがないことが分かってきたそうです。
それは、すなわち、お顔は均一だということであり、
オリジナルであることが確認されている目の周りとも成分的に均一であることは、
顔が全体的にオリジナルであるということにほかなりません。
ブラックジャックの手術痕のような継ぎ目は単なる稚拙な技術の結果であり、
おそらく、鋳造時にできた穴などを埋めた跡ではないかとのことです。
これは旧来の通説が覆ることで、なかなかエキサイティングです。
そればかりか顔と胴体の金属組成はかなり似ていたとのこと。
合致ではないことから、顔と胴体が同時期の造像ではないと思われますが、
似ているというのはどういうことなんでしょうか。
これは私が勝手に思っているのですが、
震災や戦乱で胴体が破損した際に、壊れた素材をかき集め、
それを再利用する形で新しい胴体を改鋳したのではないでしょうか。
それだと、組成が似ていて、かつ同一でないという結果に説明がつくと思うのですが、
さて、どうでしょうか。
ともあれ、飛鳥大仏の頭部がほぼオリジナルであると分かった意義は大きいでしょう。
興福寺にある旧山田寺仏頭のように、頭部だけで国宝指定されている例もありますから、
この飛鳥大仏の頭部がオリジナルであると分かったということは、
突如、国宝指定に向けた障害がなくなったということに他なりません。
それに、だって、今年で1410歳なんですよ。
その顔の皮膚(というかそれを形成している金属ね)は1410年モノってことですよ。
人間の世界では、たかだか40年か50年で、
やれ“ドモホルンリンクル”だ、やれ“50の恵”だと騒がしいですが、
なんと言っても、1410年前からの顔なんですよ、飛鳥大仏。
ひゃああああ、もう想像を絶するロマンですよね。
いつもなら、最後に、オススメを・・・・・・となるところなのですが、
今回は飛鳥寺限定の話であるうえ、飛鳥寺にはホームページがないんですよ。
でも、明日香村は以前にも紹介した如意輪観音の優品のある橘寺や、
日本三大仏像のひとつに挙げられる西国第七番札所の岡寺など、
観るべきお寺が多いエリアですので、村全体がおすすめです。
一生に一度くらいは
見ておいて損はないと思いますよ。
というより、1410歳ですからね、見とかないと損ですよ。
[SE;KICHI]
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