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京塚さん、メモる。

〔エルビス→横へ2歩→タッチニーアップ→横へ2歩→クロスストンプ左右→ビハインドで横向き→アクロス→シャッセ→ピボットで前→飛び込んで Xステップ〕=A
〔ボックス→後ろ向いてボックス→シャッセで前→ステップニー→ステップタップ→Vステップ→マンボ→後ろ向きながらチャチャチャ→マーチ×4→レッグカール×4で前〕=B
〔パドプレ→ヒップシェイク→ツーニーアップ→シャッセ前進→シャッセ後退→レッグカール左右→ビハインド→サイドマンボ→クロスマーチ〕=C


意味、分かりますでしょうか。

これは、私が通っているエアロビクス教室のうち、ある月のコリオ(振り付け)です。
右足からスタートしてAを踊り、それが終わったら左足からA、
次に右足からBを踊り、そのあとに左足からB、
最後に右足からCを踊って、左足からもCという具合で、あとは延々繰り返します。
中級ぐらいのクラスなので、実際に踊ってみればそう難しいものでもありませんが、
読んでも、意味、分からんよね。
まぁ、それが普通だと思います。

エアロビクスというのは、まずは準備体操というか、ストレッチをして、いったん休憩、
それからAのブロックを作って、いったん休憩、
次にBのブロックを作って、いったん休憩、
さらにCのブロックを作って、いったん休憩、
最後にすべての動きをつなげて、時間いっぱい動いてフニッシュと、
10~15分おきに1分ほどの休憩時間が与えられます。
休憩時間には、ふつう、汗を拭いたり、水分を補給したりするもので、
なかにはスマホを確認するけしからん若者もいますが、
まぁ、そういう感じです。

先日、不思議な人物を発見しました。
メモを取る女。
往年の、京塚昌子を彷彿とさせる女性、つまりはポッチャリおばちゃんですが、
必ずしも肝っ玉な雰囲気ではなく、ただ、どんくさそうなおばちゃん。
休憩時間になるたびに、
ポケットから紙とボールペンを取り出し、何やら書いています。

この京塚さんの存在、実は何週間か前から気にはなっていました。
だいたい、激しい有酸素運動の合間の休憩、
肩で息をしているような状況で字を書いているなんて、ちょっと不審なので、
「この人、何を書いてるのかしら?」と、怪しんではいたのですが、
肩越しに覗くのも悪いので、なんとなく眺めていたわけです。

ところが、その日の京塚さんは、どうも無防備で、
何を書いているか、私の目にも飛び込んできたのです。
まぁ、実際はついに覚悟を決め、肩越しに覗きこんだわけなのですが。
汗でヨレヨレになった15cm角ほどの紙片に殴り書きされていたのが、
冒頭の、〔エルビス→横へ2歩→タッチニーアップ→横へ2歩→・・・でした。
つまり、振り付けを忘れないように書きつけているというわけです。

・・・・・・それ、要る?

京塚さんは、このヨレヨレの紙を持ち帰り、復習するのでしょうか。
まぁ、普段のドタドタした慌ただしい彼女の感じからすれば、
予習復習は、あったほうが良いような気もします。
しかし、〔エルビス→横へ2歩→タッチニーアップ→横へ2歩→・・・って、
字で書いてあるのを見て、再現できますかねぇ。
だいたい、書いとかなきゃ忘れちゃうようなものって、
書いてあるのを軽く見ただけじゃ、思い出せないような気もするのですが・・・。
それか、私の上司のような特殊能力があって、字を見たら身体が自然に動くとか・・・。

その後も私は、この京塚さんを注意深く観察しましたが、
果たして本当に復習しているのか、
しているとすればどれくらい一生懸命にやっているのか、
どうにも、いっこうに上手にはならないのです。
どうやら、メモの甲斐あって、
ステップの順番などはよく分かっているみたいなのですが、
忙しくなってくると、つい「足は左右順番に動かす」という原則を崩してしまうらしく、
いつも、やっぱり、ぐちゃぐちゃになってしまっています。
後ろを向くときに反対回りしちゃうとか、ね。

このエアロビクス教室は、毎週1回で、つまり月に4回くらいの教室です。
そして、振り付けは毎月変わるのですが、
この京塚さん、毎月3回目くらいまでは、そのメモを持参しています。

結局、習うより慣れよとはよく言ったもので、
書いてあってもダメなのだなぁという話です。

[SE;KICHI]
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人は変われる。

長男がスポーツ少年団野球部に所属しています。
今年最高学年で、いま、まさにシーズン真最中です。

息子は一年生からやり始めました。
最初は野球経験者の父親に言われるがままに入部し、
本人の気持ちはよくわかりませんでしたが、今では本当に野球が好きみたいです。
反対に、私は彼が入部するときは、一人猛反対でした。
理由は、自分が休めないから、そして休日に家族で出かけられなくなるから。
大きくなれば一緒に旅行に行ける機会が少なくなるし、
兄弟姉妹がいればその子たちがかわいそう。
そんな親御さん、少なくないのではないかと思います。

当然、私は野球部の運営に非協力的でした。
練習も送り迎えにしか行かず、試合にも少し顔を出すだけ。
自分の貴重な休日の時間を取られるのが嫌だったから。
そして何よりも。
本人がそんなに上手ではないため、なかなか試合に出られず、
夏の暑い日に、ベンチに座ってただ応援している姿を見るのが、つらかったからです。
いつも、試合に出られなかったから面白くなかったと言っていました。
野球なんて・・・と、ますます私が遠ざかりました。

そんな私が変わったのは昨年の春でした。
確かに、そんなに上手ではないので仕方がないことかもしれませんが、
一日に2つの練習試合があったときに、
息子一人だけ一試合も出してもらえないことがあったのです。
彼だけが下手なわけではない、なのになぜ息子だけ・・・。
何も言わずに一人ポツンと座り、
目を赤くしていたその時の彼の寂しそうな顔と姿をみて、
悔しくて、あまりにも悔しくて、涙が出てきて、
人の為にこんなにも悔しくなれる自分に驚きました。

最初、野球のことを分からない私は、怒りを監督に向けました。
直接監督には何も言えませんでしたが、
嫌悪感を抱き、心の中で怒りをぶつけていました。
その監督の下でコーチをしている主人に、この怒りを伝えた時に言われたのが、
「試合に出してもらいたかったら、彼を上手にするしかない。」

「見返してやる」 そう決心しました。

私ができること、それは彼の体作り。
これまで、肉を食べさせなさいとは言われていたけど、
健康が大事、と野菜中心に考えていましたが、
身体を大きくするためにお肉を意識的に増やし始めました。
すると最初は食も細く、量を取ること自体が、
彼にとってはきついトレーニングとなりましたが、
見る見るうちに身体も応えてくれて大きくなってきました。
それと同時に、パワーもアップし、
食事もトレーニングだということを、身をもって知りました。
それでも体が大きくなったからと言って、すぐに野球が上達するわけではありません。
日々練習です。

そして、私も野球に関わろうと、スコアブックをつけ始めました。
野球のルールもわからない、書き方も分からない。
どこから手を付ければいいかもわからない。
でも、少しずつ書けるようになりました。
今年の目標は一人で書けるようになること。
随分目標に近づいてきています。

主人は主人で色々と調べ、息子のサポートをしました。
家庭でも体幹を鍛えるトレーニングやストレッチを指導し、
随分と力がついてきましたが、まだまだ、息子は目立った活躍は出来ません。

練習中でも厳しい言葉を浴びせられることも多く、
自分が思うようにプレーできないなか、
チームメイトが試合中に活躍するのをどんな思いでみているのだろうと、
私の方が心穏やかではいられない日々が続くなか、
つい先日も公式戦の試合がありました。

今回のこの試合、声もよく出ていて、チームの雰囲気も良く、
みんなが良い動きをしていました。
息子も、今までになく、守備攻撃ともにいいプレーが出来ました。
まだまだ目立った活躍は出来ていないものの、
チームの得点につなぐプレーが出来たことや、
これまでの練習や試合のことを思うとうれしくて、
帰ったら息子を抱きしめようと決めました。

帰宅後、案の定逃げる息子を無理やり捕まえていると、
一緒に帰ってきた主人が、
今日のボール(指導者側からその日の活躍者にもらえるボール)をもらったことを、
教えてくれました。
6年生になって公式戦初勝利のボールが、息子がもらった初めてのボールでした。
聞いた瞬間、
色々な思いがこみ上げ、涙腺が崩壊しました。

これまで親子で頑張ってきたことが報われたようで、
何よりも、息子の気持ちを考えると、こみ上げてくるものが大きかったです。

まだ、一勝です。
これからまた、厳しい試合が続くでしょう。
でも、きっと彼にはこのことがすごく自信になっただろうし、
これからを頑張れるきっかけになったことと思います。
少年、小学校最後の野球、目一杯楽しんでください!!!

[Okei]

フレッシュマン研修

週末は、富山県中小企業家同友会のフレッシュマン研修でした。
新入社員の入社3箇月後のフォローアップ研修開始で、
それぞれ会社も経歴も違いますが、みんなで学び合いました。

FF研修
一部、https://www.facebook.com/Yasumin06?fref=pb&hc_location=friends_tab&pnref=friends.all および https://www.facebook.com/hiroaki.nagamori.7?fref=pb&hc_location=friends_tab&pnref=friends.all より

前回の新入社員研修でえらい怒られたせいか、
今回、時間を守ることについてはしっかりできていたように思います。

ただし、たとえば、発表の時の声の大きさとか、
何かを提出する際の時の丁寧さとか、
夜の余興の時間の盛り上がらなさ加減とか、
細かいところで目につくところがあり、注意を受ける場面もありました。

時間を守ることと、
聴衆に届くような声を出すことや他人が読みやすい字を書くことは、
本当は同質なんですけどね。
でも、指摘された研修生たちは、
「私、人前で大きな声で話すの、苦手なんで・・・」とか、
「ボク、昔からこれくらいの筆圧っすよ」とか言っていました。

私たちは、「オイオイ、そりゃないだろう・・・」と思いつつも、
入社3箇月で社会人の自覚って言われても難しい門だなと思ってみたり。

相手本位というのは、実に難しいものです。
一歩一歩でも、成長していってほしいものです。

[AKA]

3歩進んで2歩下がる。

プリウスが静かすぎて危ないから走行音を義務化するというニュースに、
少し前、私の上司が反応しました。
曰く、せっかく静かな走行を目指して開発を進めたというのに、
静かになりすぎちゃって元に戻すことになるなんて、なんと滑稽な、
ニュース見て笑っちゃったよ、と。

なるほど。
笑っちゃうほどおかしいかどうかは別にしても、
これはなかなか、非常に示唆に富んだ指摘だなぁと思いました。

私は、もともとプリウスは静かすぎてつまらぬと思っていますので、
走行音についてはどっちでもいいのですが、
思えば、世界というのは行き過ぎて戻るの繰り返しのような気もします。

たとえば、住宅の断熱性というか、気密性をどんどん追求した結果、
最近の住宅は、冬場などは加湿器なしでは眠れなくなってしまっていますが、
その反動か、最近では故意に隙間のある校倉造みたいな家が人気だそうです。

行き過ぎて戻るの最たるものがAI(Artificial intelligence)の脅威です。
当然、作業効率や生産性の向上のために熱心に開発したのでしょうが、
いまでは「このままではAIに仕事が奪われる」と、なかなかの騒ぎです。
エリ巻き恐竜・ジラースをネス湖から連れてきて飼っていた中村博士が、
最期、そのジラースに踏みつぶされて死んでしまう、みたいな、
育ててきた存在に自ら追いつめられるような感じでしょうかね。

ジラースのことはともかくとしても、
このような、人間が自ら開発したものによって危機にさらされるというのは、
プリウスやAI以外に、もっと身近なところにもあります。
そう、スマホ。というか携帯電話。

あれはスーパーコンピュータですから、
あれを各自がポケットに忍ばせる世の中になって以来、
人間としての能力自体は退化しているような感じがしますよね。
字が読めない・書けないなどは序の口で、
スケジュールも自分で記憶できない、調べないとレシピもわからない。
困ったものです。

ところで、目黒に目黒寄生虫館というのがありますよね。
延々とホルマリン漬けの寄生虫が展示されている施設で、
そこにいるだけで肛門がむず痒くなるような博物館なのですが、
私もデートなどでよく訪れたものです。

さて、そういう博物館的な施設で順路最後にあるのがミュージアムショップです。
そこで売られているのがコチラ。

アニサキス
http://www.monozoo.net/products/detail.php?product_id=53

寄生虫の実物を封入したキーホルダーです。
この写真のキーホルダーに閉じ込められているのはアニキサスという線虫です。

アニキサスは、人間にアニサキス症を発症させる原因寄生虫で、
サケやサバ、イカなどの魚介類を刺身で食べたとき、人間に感染してしまうそうです。
感染しても生死にかかわることはないようですが、
胃を食い破るために激しい痛みが起こることで、このところ有名ですよね。

昔からいた線虫のようですが、このところ発症例が相次いでいるのは、
魚介類の流通が良くなりすぎたために、
産地から短時間で直送されて食卓に並ぶようになったということがあるようです。
昔は、海から食卓までが遠く、
魚を生のまま食卓に上げることは難しかったので、
塩で締めるなり、焼いてから運ぶなり、いろいろ工夫したものですが、
昨今は生のまま、かなりの距離を輸送できるので、
その弊害として、寄生虫も生のまま食卓に到着すると、そういう仕組みです。

贅沢にも、昔は食べられなかった生の刺身を食べられるようになり、
その結果、胃を食い破られる症例が増えるとは。
厚生労働省は、60℃で1分以上加熱するか、
または-20℃で24時間以上冷凍するようにと呼びかけています。
つまり、刺身で食べるなという話で、
せっかく流通が発達して食べられるようになった刺身なのに、
まさに、行き過ぎて戻るって感じですね。
ちなみに、隠し包丁を入れたりして線虫を切断すれば生で食べても大丈夫だそうです。

プリウスの件。
一市民でも、一家に何台も自家用車を買える世の中になったことも、
もちろん感謝しなくてはならないと思いますが、
しかし、そうやって自分の利便性を追求した結果、
戦争もないのに人命が失われる社会になってしまったとは、
さて、なんとしたことでしょうか。

プリウスの走行音義務化は、テクノロジーの進歩を遅らせるだけでしょう。
他にやらなければいけないことがあると思うのです。
例えば歩行者や自転車などのイヤホン禁止とか、
クルマの側の大音量でのオーディオ禁止とか。

[SE;KICHI]

グッときてます。

歌で泣くことってあります?

最近、テレビで見た、12歳の女の子の歌が衝撃的で、
YouTubeで何度も見ちゃっています。

こちら。


https://www.youtube.com/watch?v=gZtQIilqg8I

…どうでしょうか?
中学1年生女子が歌う、五木ひろし『山河』です。
本当に衝撃を受けました。

この歌、五木さんが紅白のトリでも歌われた有名な曲のようですが、知りませんでした。
知らなかったのですが、この真矢さんの歌を聴いて、泣きそうになりました。
いや、多分涙が流れてました。
歌声と表情に引き込まれて。

地元広島のアイドルグループに所属しているそう。
で、演歌も歌える。
演歌が歌える人はちょっと憧れます。

いろんな方が『山河』をカバーしていますが、
女性では演歌歌手の島津亜矢さんも歌っています。
個人的には真矢さんの方が好きです。

こちらが島津さん。


https://www.youtube.com/watch?v=wWVyGQ-QLYg

ただ、島津さんの歌唱力は物凄いと思います。圧巻の歌声です。
小学6年生くらいの頃の島津さんが、
八代亜紀さんの『舟唄』を歌っている映像は、これまた衝撃的でした。
当たり前ですが、何人もいるんですね、子供の頃から歌が上手い人は。
島津さん、幼稚園児の時、お遊戯会で童謡『チューリップ』を歌ったら、
先生から親に電話があったそうです。
「大変です!こぶしが回ってます!」。

…どんな幼稚園児…。

さて、『山河』ですが、車の中などでちょこちょこ口ずさんでいます。
先日、特急列車の中で気持ちを込めて小声で歌っていたら、
あくびと重なったせいもあって、
大粒の雫が頬を伝っていました。
傍から見たら気持ち悪いですね。
それくらい、グッときてます。
歌詞としては60代くらいの方が似合いそうな歌なんですけど。

おすすめの演歌がありましたら教えてください。
全然知らないので。
ドロドした愛憎劇のようなものではなくて、
愛を感じるものや前向きなものがいいですね〜。

それでは。

[Monsieur]

高い税金

・・・というタイトルにしてみましたが、
所得税が高いとか相続税が苦しいとか、そういった話ではありません。

さて、私は、自分の身に舞い込んでくることは神の計らいかもしれぬと考えているので、
よほどの悪事でない限り、基本的に頼まれごとは断りません。
お人好しとバカにされることもありますが、神様には褒められると思っています。

というわけで、最近、県から委嘱される形で県立高校の外部講師を引き受けており、
担当としては職業論を中心にした講義を担当しています。

高校生は、実にフレッシュだなと思います。

最近の若者は考えることが苦手だと言われることがあります。
大人が言うに、自分で考えて動こうとしないではないか、と。

確かに、彼らはグループ討論などは苦手なようで、あまり闊達な議論にはなりません。
私も、着任当初はその様子を見て、「最近の高校生は困ったものだ」などと、
やや苦々しい気持ちを抱えたものですが、
講義後に提出されたレポートに目を通すと、
「グループ討論では言えなかったんだけど・・・」という本音が書かれていたり、
「討論では否定されたけど、やっぱり自分はこう思う」という信念の披瀝があったり、
発信は上手ではないかもしれないけれど、
「考えていないわけではないのだな」と思わされます。

ただ、スマホで Yahoo! ニュースばっかり見ているからなのか、
偏った主張のテレビ番組ばっかり観ているからなのか、
はたまた、周りの大人から示唆に富んだ叱咤を与えられてこなかったからか、
どこかで見聞きした真偽の怪しいようなことを、
「なるほど、そうなんだな」と信じて疑わない傾向があるようには思います。
まぁ、それも、『ためしてガッテン』に心酔する老人みたいなもので、
高校生だからということでもないだろうとは思いますが。

たとえば、一番つらい仕事とはどのようなものでしょうかという私の発問に対し、
ほぼ全員一致で、給料の安い仕事とか、休みの少ない仕事とか、声が上がります。
理由は、テレビで池上彰が言ってたとか、美容院の雑誌に書いてあったとか。
なるほど、それはそれでひとつの意見だと思うのでそれでよいのですが、
それが、ほぼ全員一致であるため、議論とはなりません。

それは仕方がないのです。
大人の言うことをよく聞いて育った結果、
考えなければならないような題材を与えられてこなかったがために、
急に考えろと言われても、その状況に対する想像力が働かないのです。
だとすれば、考える機会を奪ってきた大人たちが悪い
ということになります。

ちなみに、この発問に対して、私の講義での答えはこうです。
この絵を見てください。

死の家の記録

手前の砂山を崩しては砂を運び、奥に新しい砂山を作っています。
全部の砂を運び終わると怖い監督者が現れて、
いま作った奥の砂山を崩しては再び砂を運び、手前に新しい砂山を作れと言います。
つまり、砂山の場所を、意味なく延々と移すだけの作業です。
なんだか奴隷のような仕事内容ですね。
この絵は、当社の Okei 画伯が描いた絵ですが、
ドストエフスキーの『死の家の記録』という作品のワンシーンです。

私は、誰の役にも立たず、何を生み出すわけでもない、
このような、意味のない仕事が一番苦しいと思います。
仕事いうのは、誰かに褒められたり感謝されるためにやっているわけではありませんが、
少なくとも対価をいただくからには、誰かの役に立っていなければいけないわけで、
そういう意味で、仕事は愛だなと思っています。
そこにきて、独りよがりだったり、独善的であることは許されていないでしょうし、
いわんや、この絵のような何の意味も持たない作業は、仕事とは言えないでしょう。

多くの生徒さんにとって、私の話した内容は初めて聞く内容らしく、
そういう考え方もあるのだと驚かれるようで、
そうやって講義を締めくくったあとのレポートでは、
感動したとか、腑に落ちたとか、そういうことを書いてくれます。
もちろん、それは、多分に社交辞令を含んではいるのでしょうが、
私の話した内容がちゃんとなぞられているので、
どうやらそれなりに興味深く聞いてくれているようだと分かり、
私も安堵しつつも緊張します。

だって、彼らの長い人生から見れば、私と関わるのはほんの一瞬。
その、ほんの一瞬の講義を聞いて、彼らは腑に落ちたりしているわけです。
特に、世代的にか、彼らは考える訓練をしてきていないので、
スポンジにように沁み込んでいくのが手に取るようにわかります。
うかつなことは言えません。

講義を終えてみての、講師としての感想は「税金が高いなぁ」でした。
もちろん、立派な大人になってほしいと願って、私も一生懸命話していますが、
自分の発言が若人にどんどん沁みこんでいく緊張感は、
なかなか想像を絶するものがあります。
使命感を持ってやらせていただいているのですが、
そのリスクを考えたとき、「税金が高いなぁ」と思うのです。

[AKA]

多様性

「LGBT」をご存じでしょうか。
最近はやりのように聞くようになりました。

4つの言葉の頭文字です。
L = レズビアン。女性の同性愛者。
G = ゲイ。男性の同性愛者。
B = バイセクシュアル。両性愛者。
T = トランスジェンダー。心と体の性が一致しない人。
いわゆる性的少数者のことです。
四者は元々別々のコミュニティですが、
頭文字を組み合わせることで連帯したイメージを表しています。

海外ではLGBT支援の活動が行われていますが、
日本でも近年、LGBTやその支援者らのイベントが東京で開かれ、
企業がブランドイメージ向上のため出展したり、活動に賛同する芸能人が参加し、
今年で6回目を数え、パレードでは5千人規模にまでなっています。

ここ数年の間でたくさんの企業がそろって多様性の重視を喧伝し、
自治体の制度整備が急速に進み、
2015年11月に渋谷区と世田谷区が同性カップルを、
夫婦と同じようなパートナーとして認める制度をスタートさせたのは、
記憶に新しいところです。
2016年には三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市、
今年の6月からは北海道札幌市でも同様の制度が始まりました。

大変いいことではありますが、日本は普段、何事にも保守的なのに、
珍しく早いこの動きになぜか違和感を抱きます。
うまく言えませんが、出来すぎているような気がしてなりません。

世間では相変わらずイジメやヘイトスピーチが日常的にあり、
これと言って効果的な対策が取られていないのに、
LGBTに対しては企業や自治体がずいぶん早く反応し、
他のマイノリティーの問題に比べるとやたら前向きだなと思います。
3年後に開催される東京オリンピックを当然意識しているものとも思われます。

いずれにせよLGBTが社会的にフラットな存在になるには、
地域や学校での教育の取り組みが不可欠だと私は思っています。
LGBTは大人になってから突然なるものではありませんから、
子供が通う学校にも当然存在します。
しかし、特に田舎では親にすらカミングアウトすることができず、
見えない存在になっているものと思われます。
ですから、都会にはいても地方にはいないぐらいに思っている人も、
少なからずいるでしょう。

また、LGBTと言って分かる子供はいったいどれぐらいいるのでしょうか。
私が感じた違和感はこの辺にあるような気がします。
肝心なことが抜け落ちているようなそんな感覚です。
まずは多様な人々の存在を知り、
表面的なイメージで理解したつもりにならず、深く理解する必要があると思います。
せっかく企業や自治体が動いて変わり始めているわけですから、
はやりで終わらせずに粘り強く日本の社会に行き渡らせ、
日本が世界に先駆けてLGBTにとって世界一暮らしやすい国になればと思います。

そうなった時にはイジメやヘイトスピーチなど、
とうに過去のこととなっているのではないでしょうか。

[M M]

魅惑の・・・(7)

信仰というものは、何かを信じ、その教えを腑に落とし、
それを自分自身の価値観の基軸として日常生活を営むことですよね。
つまり、ただ漠然と「いいね」と思うとか、親和性を感じている程度では、
信仰とか、信じているとは言えないのだと思います。

さて、ここ北陸の地では特に盛んなのですが、
阿弥陀信仰って、何なのでしょうか。
前述の通り、信仰というからには、
ただ好きとか、そういうことではなく、その教えを腑に落として、
それを自分自身の生き方のベースに据える必要があります。

どうして私が阿弥陀信仰に疑問を持っているかというと、
阿弥陀如来のご利益というのが、
死んだ後、いいところに連れて行ってあげようというものだから。
要は、受験合格とか、病気平癒とか、家内安全とか、そういうのではなく、
死後の安寧を担当しているのが阿弥陀如来なのです。
だとすれば、現在ただいま、欲深い人生を歩んでいる私たちにとって、
死後担当の阿弥陀如来は、それほど縁深い存在ではないと思うのですが、
よくもこれほどまでに広まったものだと感心します。

よく「お迎えが来る」などと言いますが、
生前に阿弥陀如来を信仰していれば、死後、
「いいところに連れて行ってあげよう」というご利益により、
死後担当の阿弥陀如来がわざわざ迎えに来てくれて、
極楽に連れて行ってくれるのだそうです。

迎えといえばリムジンを連想しますが、
阿弥陀如来は、リムジンではなく、雲に乗って迎えに来ます。
そして、阿弥陀如来はひとりで来るわけではなく、
弟子の観音菩薩と勢至菩薩を従えてという、水戸黄門編成で迎えに来ます。
この様子を表しているのが阿弥陀三尊と言われる仏像です。

三千院阿弥陀三尊像 http://blog2.hix05.com/2014/08/

この写真は有名な京都・大原、三千院の阿弥陀三尊です。
死ぬと、この3人が雲に乗り、迎えに来てくれるというのです。
私のイメージでは、効果音はワンダバダバダバダバです。
もしかして、ちょっと不謹慎でしょうか。

ちなみに、向かって右の、水戸黄門で言うと格さんの位置にいるのが観音菩薩です。
ドロンボー一味で言うとボヤッキーの場所ですね。
観音菩薩については、ちょうど5年前の『魅惑の・・・(1)』で紹介したとおり、
ソロ活動で大活躍ですが、ここでは阿弥陀如来の忠実なしもべとなっています。
その観音菩薩、上の写真で鉢のようなものを持っているの、分かりますでしょうか。
これは蓮台と言って、蓮の花なのですが、
ここに死者を載せて、極楽へと連れていくということになっています。

つまり、人間は、この観音菩薩が持っている台に載せられる大きさということで、
これは、実は凄いスケール感です。
そのデカさで迎えに来るというのですから、
そりゃ、効果音はワンダバダバダバダバでしょう。
生きているうちは、特に何もしてくれないけれど、
その威圧感で「死んだ後、いいところに連れて行ってやろうか」と聞かれたら、
「ははぁぁぁぁー、恐れ入ります」って、なりますよね。

ところで、『観無量寿経』に説かれている“九品往生”によれば、
生前の行いによって、お迎えには9つのランクがあるとされています。
たとえば、最高位の“上品上生”では、
三尊どころか25菩薩を従えた阿弥陀オールスターズでお迎えに来てくれるそうですが、
最下位の“下品下生”にもなると誰も、阿弥陀如来すら迎えに来ず、
弟子の観音菩薩が持っているはずの蓮台だけがポツンと配車されて来て、
死者自らが「どっこいしょ」と乗らなければならないのだそうです。

最後に、オススメをご紹介しておきますね。

 弥陀三尊;浄土寺(兵庫)仁和寺(京都)三千院(京都)

これらとは別に、お迎えの9つのランクに応じた9種類の阿弥陀如来を、
なんと9体並べて祀っているお寺があります。

 阿弥陀如来坐像9躯;浄瑠璃寺(奈良)

そうそう、東京の世田谷に「九品仏駅」というのがありますが、
それも近くに阿弥陀如来坐像9体を祀っている浄真寺にちなんでいます。
最後に独尊としての阿弥陀如来像の優品をご紹介します。

 阿弥陀如来;平等院(京都)法界寺(京都)広隆寺(京都)

一生に一度くらいは
見ておいて損はないと思いますよ。


[SE;KICHI]

「平成の武者修行 -立山登山の旅-」

昨年、y2k2 さんが息子さんを参加させた「小さくて大きい一人旅」。

昨今の社会変化はとどまるところを知りません。
この、予測不可能な社会を生き抜くには、
仲間と協力しながら理想を描き、創造力を働かせ、
忍耐強い精進で乗り切るしかありません。
古来の日本人は、そのように、仲間の心情を慮ることが得意でしたが、
いつしか、時代の流れでしょうか、
私たちは自分の都合ばかり言うようになってしまっています。

私たち大人は、どのような未来を子供たちに遺したいか
考えたことがあるでしょうか。

当然、子供たちには幸せになってほしいと願います。

しかし、繰り返しますが、昨今の社会変化はとどまるところを知りません。
未来がどうなるかなんて、誰にも、大人にだって分かりません。
そのうえで、子供たちに幸せになってほしいと願う大人としては、
どんな社会がやってきても乗り切れるだけの強さを持ってほしいと思うのです。

昨年の「平成の武者修行」は、4日間かけて四国八十八か所札所のうち、
115km を歩いて回るというお遍路の旅でした。
小中学生に対して 115km というのは尋常ではありません。
助け合ったり、いたわりあったりしないと達成できない距離でしょう。
それが狙いでした。
昨今の社会変化は仲間と力を合わせることでしか乗り越えられないと思うからこそ、
子供たちにそういう体験をしてもらいたいというのが狙いでした。

昨年の「平成の武者修行」がすこぶる好評だったみたいで、
今年も高知で開催されるばかりか、全国でもやろうではないかという流れになりました。
北陸でも“平成士会議越中北陸社中”という団体が立ち上がりまして、
子供たちの人間力の涵養の場を提供したいということで、
「平成の武者修行 -立山登山の旅-」の開催が決まりました。

平成の武者修行
平成の武者修行(コース)

別に山登りに意味があるわけではありません。
ただ、助け合ったり、いたわりあったりしないと達成できない体験をしてほしいと願い、
その場が山だっただけです。
この“ほどほどに過酷”な体験を通じて、子供たちが、
仲間と信じあえる体験をしてくれて、
そのことが生涯の糧となればと願ってやみません。

弊社の若手社員も、全国からお預かりする大切な子供たちのサポートに参加します。
日々、業務の合間を縫って、どうしたら子供たちの学びを助けることができるか、
いろいろ話し合ったり、体力的にも頼りになるように訓練を重ねたりしています。

サポート体制

大人も子供も、学びの夏になりそうです。

[AKA]

覗く人たち

一口に映画好きと言っても、人によって好みはさまざまですよね。
ラブストーリー好き、アクション好き、ホラー好きなどなど。

私も好きでよく観ますが、ジャンル関係なしに、
覗きシーンのある映画が大好きです。

いつ覗きがばれるのかという緊張感と、
覗かれている人の、他人の視線を意識していない無防備な姿が、
観ていてとても面白いんです。


『裏窓』https://www.youtube.com/watch?v=MW0y7i2AyNU&app=desktop

この男、足を骨折して動けず退屈だからと、
向かいのアパートの住人たちの生活を覗き見。


『アンナと過ごした4日間』http://m.youtube.com/watch?v=CaXz-XNnzbU


『嗤う分身』http://m.youtube.com/watch?v=ZUqHkgTWdsY

想いを寄せる異性を覗き見。

そもそも映画自体が、作り物とは言え他人の生活を覗くようなものですよね。

世界で最初に開発された映画を観る装置は、
現在のようにスクリーンに映写するものではなく、
箱の中を覗き込む形で鑑賞するものでした。

現在の映画館も、暗闇の中にスクリーンだけが明るくよく見えて、
暗がりから相手の様子を盗み見ているような気分になりませんか?

ただ、映画のなかで覗き見をしている彼らは、必ず相手に気づかれます。
そして、殺人犯に命を狙われたり、警察に捕まったり、
会社で白い目で見られたりします。

あ!気づかれた!!
https://www.youtube.com/watch?v=MW0y7i2AyNU&app=desktop

あ!気づかれた!! 

映画の良いところは、他人の生活と、
それを覗いている人さえも見ることができる、というところでしょうか。
さらに、観客の私たちは映画の中の彼らからは絶対に気づかれないので、
高みの見物です。
あ~愉快愉快。

現実の世界で覗きをするのはいろいろと問題なので、
覗き欲は映画で解消するのがいいですね。

[a.]
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