魅惑の・・・(8)

6年前、観世音菩薩について書いた記事で、
如意輪観音について、ほんの数行だけ触れましたね。

観音の中では、「1000の手で一人残らず救済するぜ!」の千手観音や、
「11の顔で漏らさず見守るから!」の十一面観音などがビッグネームであり、
如意輪観音というのは、いまいちメジャーな感じがしないのですが、
なかなかどうして、私は如意輪観音、好きです。

如意輪観音は、膝を立てて、なにやらアンニュイに頬杖をつくという独特な姿で、
その妖艶さというか、エロさが仏像マニアの心をつかんでいます。

如意輪観音
https://blogs.yahoo.co.jp/bashar8698/37730067.html

エロくない?

そもそも、仏像というのは、でっぷりとした半裸でチリチリパーマの人物が、
無表情にどっしりと座っているものと思っている人も多いのですが、
この如意輪観音からは、風呂上りに半裸で座っている熟女のような色香を感じます。
かたせ梨乃とか、どうでしょうか。

エロさの秘訣は手の感じでしょうか。

如意輪観音には腕が6本あります。
右手側、上から一番目の手は指先を頬に当てています。
これはどうやって衆生を救おうか考えているところです。
2番目の手は、如意宝珠という珠を掌に乗せて胸の中央に置いています。
この宝珠は特殊な珠で、思うがままに財宝を取り出せると言われています。
如意輪観音の「如意」は、ここからきています。
3番目の手は、下方に伸ばして数珠を持っています。
私は、頬に当てた手よりも、数珠を持つ手指の感じなどに、
そこはかとない色香を感じるのです。

左、一番上の手は指を伸ばし、その指先に法輪を乗せています。
この輪宝を回すと全ての煩悩を打ち砕くことができるのだそうです。
如意輪観音の「輪」はここからきています。
2番目の手は、蓮華を持っています。
3番目の手は、腕を下に伸ばして身体を支えるみたいな形になっています。
これは、触地印といって、地を鎮めるようなことを意味します。
私は、この床に触れている手の感じにも気怠い感じを受けます。

ところで、ちょっと感性的な話をしますが、
指先を頬に当てるスタイルについて、
さきほど、どうやって衆生を救おうか考えているところなのだと書きましたが、
私は子供のころ、そこにちょっとした違和感を感じたのです。
だって、どうやったら人々を苦しみから救えるか、
観音様は仏様なのに、頬に指を当てて考えないと分からないんだ、変なの、と、
幼少の私は、なんだか滑稽に感じたわけです。

もともと、菩薩という階級は修行中の身なので、
衆生救済について考えを巡らせる場面はあって当然ではあるのですが、
儀軌といいますが、最初に造形のルールを考えた人は、
仏とて、人と同じように、
悩み苦しんだりしているのだということを表現したかったのでしょうか。

結果、如意輪観音にはどことなく親近感があり、
人を惹きつける妖艶な魅力を漂わせている感じがするのです。

ところで、私は、如意輪観音というのはお堂に祀られているもので、
路傍の石仏が如意輪観音なんてこと、ないと思っていたのですが、
先日、富山市の大山地区というところで、
地蔵菩薩だと思って近づいた石仏が如意輪観音でびっくり仰天しました。
ただ、私が仏像好きということを知らない知人は、
地味にびっくりしている私の隣で、
「あら、珍しい姿のお地蔵さんね」くらいに思ったようです。
・・・・・・いや、それ、如意輪ですから。

道端の如意輪観音

最後に、オススメをご紹介しておきますね。

観心寺(大阪)室生寺(奈良)神呪寺(兵庫)醍醐寺(京都)正法寺(岩手)

一生に一度くらいは
見ておいて損はないと思いますよ。


[SE;KICHI]
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飛鳥の執念⑨ ~蘇我倉山田石川麻呂の重要性

「乙巳の変」って知ってますか。
当社の a. さんは「全然わかんないです」と言い、
Okei さんに至っては「さっぱり」という返事でした。
学校では教えていないことなので、無理もないかもしれません。
もしかしたら読めもしないかもしれませんね。

ところが、社内に乙巳の変について語る者がいたのです。
いつもウルトラマンについて語っている K.K さんです。
この K.K さんという人は、
もともと学校のお勉強ができるタイプではないのですが、
一方で、関心領域についての知識は尋常ではなく、
かなり細かいことまで調べて記憶しているようで、
果たして、本当におつむが弱いのか、それとも単なるキャラ設定なのか、
意外と後者なのではないかと思ったりもする私です。

乙巳の変というのは、
学校で習った「大化の改新」のきっかけになった事件の一つです。
中大兄皇子と中臣鎌足が、宮中で蘇我入鹿を暗殺し、
蘇我氏を滅ぼしたという飛鳥時代の政変で、
うるさい蘇我氏を葬り去ることで、大化の改新と呼ばれる改革が可能になりました。

私が乙巳の変と聞いて、若干の興奮を覚えるのは、
たぶん、蘇我倉山田石川麻呂という人物に興味を持ったからです。
名前長っ!
その蘇我倉山田石川麻呂は蘇我入鹿のいとこだったのですが、
中大兄皇子と中臣鎌足が、横暴な蘇我入鹿を誅殺することを画策したとき、
蘇我一族であったにもかかわらず、仲間に引き入れられます。
このとき、石川麻呂は、娘である遠智娘と姪娘の姉妹を、
妃として中大兄皇子に送り込んでいます。
ちなみに、遠智娘の娘が、私が何度も何度も書いている鸕野讃良皇女(持統天皇)で、
その妹の姪娘の娘が、その鸕野讃良皇女の息子・草壁皇子の妻、阿閇皇女(元明天皇)
この2人は嫁姑の関係でありながら、父親が同じであり、母方の祖父も一緒という、
2代遡れば完全に同一遺伝子の2人なのですが、
その祖父・石川麻呂という人は、そういう血縁的な意味合いでも、
また、乙巳の変の成否を握る人物としても、
その後の天武系王朝を築くにあたって、非常に重要な人物なのです。

ところが、この石川麻呂、キーマンのわりにメンタルはそう強くなかった模様で、
乙巳の変では、入鹿の暗殺の合図出し(天皇への奏上文を読み上げ)の役目だったのに、
合図を出しても、刺客が怖気づいてなかなか暗殺を実行しなかったため、
石川麻呂、大いに動揺して、文を読み上げながらガタガタ震え、
大汗をかいていたと言われています。
しかも、それを不審に思った入鹿に「何故震えているのか」と指摘される始末で、
つくづく、蘇我倉山田石川麻呂、ドッキリの仕掛人とか、
そういうことに向いていない人物だったようです。
こんな人、こういう大事なクーデターに、
私だったら誘わないかもしれません。

ちなみに、蘇我倉山田石川麻呂、乙巳の変での功績からか、
その後、右大臣に出世していますが、
4年後には、中大兄皇子と中臣鎌足の陰謀により、粛清されています。

はい、そこで前述の娘・遠智娘です。
遠智娘は中大兄皇子の妻ですから、
彼女にとって、父・石川麻呂は夫に殺されたようなものです。
遠智娘は泣き叫び、食事も喉を通らなくなったそうで、
なんと、そのまま死んでしまいました。

さらに、中大兄皇子と遠智娘の間に生まれていた鵜野讃良皇女は、
当時まだ5歳。
物心つくかつかぬかという年頃の鵜野讃良皇女にとっては、
父が母を殺したようなものです。
それをどんな気持ちで受け止めていたのでしょうか。
そして、彼女にとって、幼少期のこの経験が、
天武王朝に固執する権力主義的なマインドのベースになったのかもしれません。

ところで、この K.K さん、乙巳の変に関心を持ったきっかけが、この絵だそうです。

乙巳の変
https://ameblo.jp/k1rms/entry-11472672939.html

この絵は、奈良の神社に伝わっている『多武峰縁起絵巻』といって、
江戸時代の絵師・住吉如慶とその子・具慶が合作で描いたものですが、
中央の人物(蘇我入鹿)が、首から血を噴き出しながら突っ伏し、
その上方に、切り離された頭部がぴょーんと宙を舞うという、
構図としてはマンガのようですが、実にシュールな絵ですね。
実に禍々しいです。

私は、この時代をこよなく愛する者で、
私にとって「○○の変」といえば、“本能寺”を抑えて余裕で“乙巳”を挙げますが、
そんな私でも、この絵はそう興味をそそる絵ではないので、
人の関心というのは千差万別なんだなぁと、改めて感心します。

この K.K さんはこの春、
歴史学を学ぶために大学の通信課程に入学するんだそうです。
もちろん、「乙巳の変」ばかりを学ぶというわけでもないでしょうが、
好きな領域について学んで深めようとするところはうらやましいし、
新たなチャレンジは、尊敬に値します。

[SE;KICHI]

かつて英雄(ウルトラマン)だった戦士(オトコ)達へ③

もう終わりかと思っていたのですが・・・。
しかし一度書き出したら止まらないほど思い入れが強いウルトラマン。
自分だけではなく他の方にもそれぞれあるそうですので、
今回は角度を変えて、もう少しだけお願いします。

先日我が社のSE;KICHIさんとも少し話したのですが、
最近のウルトラマンは“よく喋る”のです。
ご存じウルトラマンの声は、シュワッっとか、シュワッチとかです。
当然宇宙人ですからね。
それが最近のヒーロー達はペラペラ流ちょうに日本語で喋っちゃいます。
主人公の声で。

平成戦士たち http://m-78.jp/news/n-4093/

どうやらSE;KICHIさんはそれがお気に召さないようで、
その点において平成のウルトラマンは認めていないから!と仰ってました。

確かに前々回紹介したウルトラマンジードも含め、
変身時も敵味方関係なく会話をしています。
主人公がヒーローと一体化しているのをより強調させ、
ウルトラマンにも血が通っている印象を与える意味合いかもしれませんが、
振り返ってみると、昔はそうではなかった気がします。
(※筆者は別に嫌いというわけではありません。)

例えば初代ウルトラマンです。
主人公ハヤタ隊員は、
第1話で宇宙から怪獣ベムラーを追いかけてきたウルトラマンと、
飛行中に激突事故を起こし、命を落とします。
申し訳なさからウルトラマンは彼と一体化し、地球で共に生きていくと伝えるシーン、
ウルトラマンは日本語で喋るのですが、
なんとハヤタ隊員その人ではなく、全く別の人の声で喋るんです。
(中曽根雅夫という方。ヒーローとは程遠い悪役みたいな声ですが。笑)
今になって思えば、当時これは大変貴重なことで、
めったに聞くことができませんでした。
第33話メフィラス星人の回は何故かナレーションの方の声ですが、
最終話ゼットンに敗れ、瀕死のウルトラマンを介抱しにきたゾフィーに対して、
これまたこの声で喋るのです。

ゾフィー
http://ultrakentei.blog.fc2.com/blog-entry-73.html

宇宙人なのに日本語で喋るのはいったん置いておいて、
せいぜいウルトラマンが喋るのは最初と最後くらいでした。
これはその後のウルトラマンにもある程度共通していることです。

戦闘シーンは気合が入っている時シュワッとか、
苦しい時フゥッワッとかある程度感情が伝わってくるのみ。
余計な話などせず、戦いで決着を付けるものでしたから。

それを踏まえ改めて鑑みるに、最近の作風としては、
戦闘アクションよりも人間ドラマを重視する傾向があると思います。
それ故に戦闘シーンが少なくなり、
喋ってばかりいるイメージが付いてきたのかも。
大人も一緒に楽しむ時代だからなのかもしれませんね。

そしてもうひとつ、先述しましたが、声についてです。
誰のどんな声か?
これはかなり重要なポイントだと私は思うのです。

代表的なのは、かのウルトラセブン。
彼の声はシュワッではなくジュワッ。
気合が入る際のデュアアッとか、初代ウルトラマンとまるで違います。
(変身プロセスだって光り輝く音からではなく、目から全身を段階的に変身させていくスタイルですので、全く違います。)
声当ては主人公モロボシ・ダンの声ですが、かなり特徴的。
うん、これこそ個性ですよ!

ウルトラセブン
http://blog.goo.ne.jp/52godzilla/e/ea73f51640830013aa626b4a9266f820

また、ウルトラマンジャック(帰マン)の声は初代ウルトラマンを流用した感じですが、
(喋る声は谷津勲という方です。カラータイマー音は以前に比べ適当な音になりました。笑)
ウルトラマンエースはかなり特徴的なんです!←筆者大好き。
喋る声の方がそのまま声当てされていますが、
ものすごいオッサンみたいな声なのです!(笑)

ウルトラマンエース
http://next884mat.at.webry.info/200702/article_23.html

見た目はジェンダーレスで中性的なデザインなのに、
テェェェェッとか、フンッイヤァァァッとか、
気合入った時の声は超独特で、このウルトラマンエースの真骨頂です!
(声当ては超有名声優の納谷悟朗!銭形警部や沖田艦長の人です!!)
タロウは主人公東光太郎の声を加工したもので、
気合や苦しい時のタァァァッは、ものすごく気持ち悪くてダサいですが、
これもタロウの印象を強くする個性。
レオに至っては、ほとんど声出さないかと思ったら、
出した時のタァッは何か抜けた感じ。
かと思えばそうでもなく、全話通してスパルタ風で、
主人公は普段から上官にしごかれている物語ですので、
ある程度は出てくるその声は想像できるのですが、
必殺技レオキックのイヤァァァァッはもう苦しそうな悲鳴です!(笑)
想像を超えた痛々しさは聞いてられないです。笑

ウルトラマンレオレオキック
https://middle-edge.jp/articles/WnCJN

と、まあこのように個性がいろいろとあります。

しかし、この特徴ある個性が、シリーズが変わる度薄くなっていきました。
これは昭和のウルトラ兄弟によく見られたもので、
他の作品に出る際、個性のあるそれぞれのウルトラマンが、
その登場する作品のウルトラマンの声に統一されていてしまったということです。
私から見たらそれは扱いが雑で、
かつて地球を守ってくれたヒーロー達に失礼にも感じます。
エースのヒッポリト星人の回、タロウのテンペラー星人の回は見るに堪えないです。
昭和の時代の事情もあるのでしょうが、
そのウルトラマンをリスペクトし、守り抜いてほしいものです。

その点、最近のウルトラマンは、そういった私にとってありえない矛盾点を考慮され、
当時の音源を使って声当てをしているところは、一定の評価ができると言えます。
平成3部作をはじめ、その点はしっかりとしています。
コアなファンはうるさく、戦闘の構えや劇伴にまで言及しますから。(笑)

ともあれ、今回喋ること、声について、またずらずらと文字を並べてしまいました。
分からない人には全く関心の無いだろう世界ですが、
好きな人にとってはツッコミ所満載のネタです。
分かる方が、あーあるある!と思って頂けると幸いです。

おまけ
声について、平成3部作以降も作り込まれています。その一部を紹介です。↓

・ウルトラマンティガの声:真地勇志(超有名。笑ってコラえてのナレーター、ダイナも。)
・ウルトラマンダイナの声:つるの剛士(主人公本人の声を加工したもの。)
・ウルトラマンガイアの声:吉岡毅(主人公本人の声を加工、非常に分かりやすい例。)
・ウルトラマンメビウスの声:五十嵐隼士(主人公本人で、あまり人間時と変わらない。)
・ウルトラマンオーブの声:石黒英雄(主人公本人、平気で喋るし声も加工してる感無し。)

この声だけとってみても、そのウルトラマンらしさというのが出ているんですよ~。

[K.K]

かつて英雄(ウルトラマン)だった戦士(オトコ)達へ②

前回の続きということで、
私にとって思い出に残る、特にお気に入りだったウルトラマンシリーズ、
平成3部作と言われるものを紹介したいと思います。

【ウルトラマンティガ】

ウルトラマン誕生30周年の節目に、
長らく国内では製作していなかったTVシリーズの新ウルトラマンとして、
1996年に誕生しました。
(ティガは、インドネシアの言葉で3という意味。30周年と3タイプチェンジなどかけてある。物語自体が、古くムー大陸などポリネシア方面に伝わるクトゥルフ神話がベース。)

ウルトラマン史上初となる、
怪獣や星人の特性合わせて3タイプ(マルチスカイパワー)にチェンジすることや、
斬新なCGやVFXを使用した撮影技法に加え、
豪華なキャストにも注目が集まりました。

ウルトラマンティガ①
http://blog-imgs-96.fc2.com/t/e/a/teambdreveryday/2016071400170728b.jpg

主人公はデビューしたてのV6のメンバー長野博。
当時ジャニーズ出身のウルトラマンは異例中の異例でしたので、
主題歌の「TAKE ME HIGHER」は長らくオムニバスCDには収録されず、
よく分からないおっさん達のカバーが入っていました。
(曲の権利の問題。収録会社が違った為。現在は解消。)

またヒロインには、
富山出身の初代ウルトラマンのハヤタ隊員役でお馴染みな黒部進の娘、
吉本多香美を起用。
親子2代でウルトラマンの重要な役どころを演じるということも話題を呼びました。

ウルトラマンティガ②
http://scontent.cdninstagram.com/t51.2885-15/s480x480/e15/10369297_1445917502350192_408805055_n.jpg?ig_cache_key=Nzc4OTE5MDUzMDgwNzIxMDgx.2

物語は核や戦争が無くなった世界、2007年~2010年という時代設定で、
かつてのウルトラマンシリーズに共通していた、
ウルトラマンはM78星雲光の国からやってきたというものではなく、
3000万年前の超古代に地球を守っていた光の戦士が、
再び訪れた地球の危機に、
超古代人の遺伝子を持つ主人公マドカ・ダイゴと一つになって、
立ち上がるという話です。

ウルトラマンティガ③ ウルトラマンティガ④
https://i.pinimg.com/736x/98/01/e7/9801e70f4eec738de4572c88671ae804.jpg
http://blog-imgs-48.fc2.com/u/l/t/ultramanasina/20111019190856e6a.jpg


様々な怪獣や星人と戦う中で主人公が葛藤しながら成長していくというのは常ですが、
今回重きを置かれたテーマの一つに、“光と闇”との戦いがあります。
このテーマは視聴者に、単純に正義と悪との戦いという印象だけではなく、
誰しもが持つ二つの側面の、
そのどちらを選ぶのかが大切である。ということを投げかけるものでした。
そして何も選ばれた人間のみが光になるのではなく、
皆自分自身の力で光になれるのだと。
現実世界でも、誰しもがそれぞれ輝くことができるのだという、
メッセージだと思います。

子供の時分はそんなこと気にせず見ておりましたが、
今になって見返すと、なるほど深いな~と思うことが多々あります。
大人も楽しめるようにも作られていたのがよくわかります。

散々御託を並べてますが、要はティガ、私大好きだったのです!と言いたかったのです。
現代ウルトラマン達にも劣らぬ洗練されたデザインはスマートでカッコイイし、
戦い方もバリエーションに富んでいるし、技やら構えやら・・・etc
言い出したらきりがないのですが、今でも一番好きなウルトラマンです。
思えば初めて買ったもらった人形も、ティガのラスボスの邪神ガタノゾーア。↑画像。
子供がなんちゅうもん持ってきたんよ!気持ち悪っと思ったそうです(笑)

余談ですが、当時はまだ2歳でしたので、
リアルタイム放送ではなく後から放送で見て育ちました。
今はそうでもないのかもしれませんが、
かつては特撮系は関東に比べて半年ほど遅く放送されるという、
なんとも田舎らしい形態でしたので、厳密に言えば再放送ではないのですが、
やはり都会と比べたら遅れてる感は否めませんでしたね。

ティガを見ている間にもう次のウルトラマンが放送されていたのです・・・。

【ウルトラマンダイナ】

1997年、ティガが大成功を収めたことを踏まえて、新たなる光の超戦士が誕生しました。

ウルトラマンダイナ①
https://www.moview.jp/wp-content/uploads/2015/05/ultramandyna3.jpg

その名はウルトラマンダイナ。
(意味はダイナミック、ダイナマイト、大好きなという意味があるそうです。)
前作の世界観を踏襲して、
ティガの時代から7年後の2017年~2020年が舞台、つまり続編となっています。
ティガの邪神ガタノゾーアと闇の力との戦いから7年後。
人類は新たな地を求めて宇宙へ進出、
ネオフロンティアと呼ばれる大航海時代を迎えます。
その最中、宇宙から飛来した謎の敵スフィアとの戦闘中、主人公は眩い光に包まれ、
再び始まった戦いに、ウルトラマンダイナとして立ち上がるという話。

設定を引き継ぎつつも、
シリアスな展開が多かった前作に比べ、明るく楽しい娯楽性を徹底。
怪獣の魅力や人間ドラマに重きを置かれました。
中でも戦闘シーンは最大の魅力で、
大迫力のアクションが素晴らしい作品となっています。
3タイプチェンジ(フラッシュミラクルストロング)も健在で、
前作以上に幅が広がりました。

ウルトラマンダイナ②
http://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/2/3d0e594d7290e095c520c664827bf0a4c1d23fc9.54.2.2.2.jpg?thum=53

キャストも一新され、
これまたデビュー当時のつるの剛が主人公に抜擢されました。
今でこそヘキサゴンやヒルナンデスで有名になり、
テレビで見ない日はないほどになりましたが、
昔はこんなにほっそりしていたんです。笑
おバカキャラかもしれませんが、
私にとってはいくつになっても彼らは永遠のヒーローなんですよ。

ウルトラマンダイナ③ ウルトラマンダイナ④
http://m-78.jp/wp-content/uploads/2015/05/n-3118-08.jpg
http://blog-imgs-89.fc2.com/u/l/t/ultrakentei/uda50-02.jpg


(上記の画像のシーンなんかは、前作の主人公との邂逅する最大の意味深な回でした。)
ティガのキャストもゲスト出演して楽しませてもらいました。

最終回の最後の最後まで諦めないダイナと主人公の姿は、
本当に今でも忘れられない。
地球を守った代わりに、宇宙の彼方に光となって消えていくシーンは、
寂しさと感動で泣いたのを覚えています。
諦めないこと、夢を追い続けること、
勇気を奮い出すことの大切さ
を、分かりやすく教えてくれた作品でした。

ダイナはその後もつるの剛の人気と相まって、
別の作品の映画などに頻繁にゲスト出演している、
今でも知名度の高いウルトラマンですね。

【ウルトラマンガイア】

翌年1998年、前2作の成功から、
その技術をふんだんに利用した新しいウルトラマンが製作されました。
今度のウルトラマンは世界観が踏襲されていないもので、
地球の意志が生んだ光の戦士、
つまり地球生まれのウルトラマンという設定になりました。
舞台も放送された世紀末の現代を描いており、環境破壊に対する警鐘や、
怪獣も地球の一生物という捉え方で描かれ、
むやみな戦闘を避けたりする描写もありました。
話の流れも大河ドラマのような長編エピソードが多くあり、
1話だけでなく、続きが気になる展開に。
SF要素が大変強く、科学的専門用語や造語が頻繁に登場、
地球を破滅に追いやる根源的破滅招来体という外敵に関しては、
子供には理解不能で、母親でさえ難してなーん分からんだわと言っていました。

ウルトラマンガイア
http://tokusatu-hero.com/wp-content/uploads/2014/07/gaiagul.jpg

このウルトラマンガイア。
(ガイアとはギリシャ神話に登場する、大地を意味する神だそうです。)
若い20歳の地球思いな大学生主人公が、
根源的破滅招来体の攻撃から地球を守りたいと願った時、
大地の力であるガイアと一体化して、地球と人類を守っていく話。
若い故に悩み葛藤するシーンは多く、主人公もまた憎めないキャラなので、
わりと親近感はある感じはしますね。

このガイアは今までのウルトラマンには無かった要素が結構あります。
そのなかでも目を引くのは、なんともう一人ウルトラマンが出てくること。
もう一人のウルトラマンアグルは、ガイアのライバル。
地球から海の力を授かった全身真っ青なスタイルで、
ガイアや主人公とは価値観の違いから対立、衝突を繰り返します。
変身する人物も準主人公扱いで、ストーリーも緻密に描かれています。
そのスタイルと今までにない青い巨人というクールさが好評をうけ、
特に若いお母様方から絶大な人気があったそうな。
最後は和解し共に地球の危機に立ち向かい共闘していく過程が面白いと思います。
(ちなみにアグルを演じた高野八誠は仮面ライダーも演じた初の俳優だそうです。おいしいですね~。)

キャストも意外とすごいのです。
主人公はあまり聞きなれない吉岡毅という人ですが、
脇を固めている渡辺裕之、平泉成、宇梶剛とかなり豪華。
主題歌もクリスタルキングの田中雅之が担当していました。

ガイアは前2作に比べて、考えることが多い作品だった気がします。
ダイナに見られた豪快さはあまりなく、
主人公が葛藤しもがきながら前に進んでいくという展開でしたので、
現実の自分たちにも共感できることが多くありました。
タイプチェンジも簡単にやってのけるわけではなく、
主人公が苦労して身体を鍛え、
様々な外的要因と仲間に支えられて新たな力を手にしていきました。

子供には難しかったですが、
いま観ると昔より共感でき、面白く観ることができますね。

余談ですが、ガイアの着地シーンはその巨大さを表現するため、
地面の土煙が舞い上がる描写となっています。
本当にかっこよくて、オープニングや各話の登場シーンで、
必ずと言っていいほど描かれています。
これは着地する瞬間、地面に含ませた火薬を同時に爆破しており、
当初は危険な試みとして、あまりスタッフは乗り気でなかったそうですが、
これが逆にガイアの大地のイメージにぴったりだと人気が出たために、
より多く使用されるようになっていったのだとか。
現在もこの撮影手法が取り入れられいます。
自分も子供の頃、少し高いところからジャンプして、
この着地の真似をしていました。
着地する瞬間少しスローなカメラ回しになることから、
ゆっくりもわっと立ち上がる動きを楽しんでおりましたが、
あまりにどんどこ騒がしいため、これでよく叱られていました。笑

その後もウルトラマンコスモスなどシリーズは続き、都度鑑賞した作品もありますが、
未だにこの3部作を超えるウルトラマンには、
出会ったことがありません。

それはこの3部作が自分にとって思い入れのある、大切な思い出だからだと思います。
将来の夢はウルトラマンだったし、
かつて間違いなくウルトラマンだったと思います、何度も変身してました。笑
(実は今でも心の片隅になれるのでは?という思いがあったり・・・?。)

長文になり、書きたいことだけ書いた感じは否めませんが、
男性の方はそういった思い出は少しはあるのではないでしょうか?

一部の方々、特に私たち平成初期生まれの20代は、
特にこの3部作が好きだったはずです。
それぞれの世代には、それぞれのヒーローがある。
久しぶりに思い出して観るのも、いいかもしれませんね。

[K.K]

飛鳥の執念⑧ ~生娘の覚悟

天武天皇の息子である草壁皇子は早くに亡くなりました。
当時、そのような立場の者が死ぬということは、
遺された息子や娘が後ろ盾を失うということを意味しており、
草壁皇子が早く亡くなったということは、
その遺児・軽皇子が出世競争から脱落したとみるのが普通です。
ところが、ここで登場するのが草壁皇子の母・鸕野讚良。
天武天皇の妻であった彼女は、夫を深く愛していたようで、
天武系の皇統を絶やすまいと執念を燃やし、
自ら持統天皇となって即位して中継ぎとなってまで、
わが孫である軽皇子へと皇位をつなぎました。
ここまでは5年前の「飛鳥の執念①」で書きました。

こうして14歳で即位したのが文武天皇、つまり鸕野讚良の孫の軽皇子ですが、
この文武天皇も、24歳になった時に死んでしまいます。
遺児である首皇子はまだ6歳。
例によって出世競争から脱落するところを救ったのが、死んだ文武天皇の母。
続日本紀によれば、文武天皇は亡くなる半年前、
重体となっている病床に母の阿閇皇女を呼び、皇位の継承を託したとのこと。
彼女が元明天皇として即位する際に発した詔が続日本紀に遺されていて、
それは、先代文武の即位は天智天皇が定めた不改常典に従ったと明言するものでした。
つまり、天武-草壁-文武という嫡系での継承を正当なものであるとし、
すなわち自分の後は首皇子に引き継ぐと宣言した詔でした。
この部分は、ザックリとですが、4年前の「飛鳥の執念③」に書きました。

さて、この元明天皇は、平城遷都など、教科書に載るような偉業を成し遂げましたが、
いかんせん、即位時にすでに47歳と、当時としてはかなり高齢でしたので、
その治世は老いとの戦いで長くは続かず、
かといって譲位したい首皇子はまだ若く、という状況で、
もうひとり、中継ぎが登場します。
氷高皇女です。

氷高皇女は元明天皇の娘で、亡き文武天皇の姉です。
彼女は、高齢となった母・元明天皇から、
甥っ子(弟の子)・首皇子へとバトンをつなぐというミッションを任され、
35歳の時、第44代・元正天皇として即位しました。

奈良時代の天皇系図
https://sites.google.com/site/poppopoppopoppo777/nai-liang-shi-dai

私がこの人物に注目しているのは、
5人目の女帝でありながら、それまでの女帝が皇后や皇太子の未亡人だったのに対し、
結婚歴のない初めての女帝となったところです。
当時、女性の貞操は現代ほど乱れてはいませんでしたから、
元正天皇は、35歳とはいえ、有史初の処女女帝であったと言われています。

これって、どんな感じなんでしょう。

女帝ともなれば気軽に声を掛けてくる男性は皆無でしょうし、
性を謳歌するなどというと下品な感じもしますが、
夫すらいない“籠の鳥”の人生は寂しかったのではないでしょうか。

ところで、元正天皇には、吉備内親王という妹がいました。
この吉備内親王は、若いうちに長屋王という人物に嫁いでおり、
元正天皇が即位する頃には3人の皇子を産んでいました。
元正天皇は、この吉備内親王ファミリーと仲が良く、
妹の夫である長屋王のことを厚く信頼していたようで、
元正天皇の即位と前後して、長屋王は飛躍的に昇進していきます。

私は思うのです。
氷高皇女(元正天皇)、若いうちに長屋王と結婚すればよかったのに。
別に長屋王でなくても、若いうちに天智天皇や天武天皇の子孫の誰かと結婚していれば、
女帝にならずに済んだはずなのに。
というのも、氷高皇女が長屋王と結婚していたら、
先代の元正天皇が崩御する際、女帝が続くことを避けるために、
おそらく皇統は長屋王に移ったはずです。
長屋王は、実は高市皇子の息子で、天武天皇の孫にあたるので、
いちおう、その資格はあるでしょう。
その後は、氷高皇女が長屋王の妻として子を産めば、
その子へと、淡々と皇統は天武系で受け継がれていったはずなのに。

当時、女帝は、あくまで男性の天皇のピンチヒッターとの考えが強くありました。
未亡人ばかりが女帝になってきたのがその証拠です。
そうであるなら、おばあさんの持統天皇も、お母さんの元明天皇も、
氷高皇女に「若いうちに結婚するべきよ」って、
すすめてあげるべきだったと思うのです。
どうして35歳になるまで放っておいたのでしょうか。
おそらく、最初から有事の際の中継ぎ要因として隔離されていたのだろうというのが通説になっています。
実際、そうなんだろうと思いますが、だとしたら、それはそれで、悲しい人生です。


即位から10年後、元正天皇は青年に成長した首皇子に皇位を譲ります。
当初のミッションを達成し、ついに“籠の鳥”から脱出できたわけですが、
元正天皇はすでに45歳になっていました。
しかも、この元正天皇、退位後25年くらい生き、
聖武天皇として即位した首皇子を、上皇として補佐します。
特に晩年は、病気がちで政務が行えず、
仏教信仰に傾きがちだった聖武天皇に代わり、
橘諸兄や藤原仲麻呂らと政務を遂行していたと言われています。

よくノブレス・オブリージュなどと言いますが、
この人の人生は、
弟からその息子へと皇位をつなぐためだけに存在しました。
その人生がどのような感情を伴うものか、私には想像もつきませんが、
今年、歌舞伎の市川宗家に起きた悲しい出来事を見ていると、
つなぐための人生というのは、あるものなのだなと思います。

[SE;KICHI]
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